ギッシングの小説
ギッシングという作家がイギリス、ビクトリア女王時代に活躍しました。
活躍という言葉は少し不似合いかもしれません。主に市井の人びとの健気な様子を静かに描きました。
彼の作品は日本では「ヘンリ・ライクロフトの手記」が飛びぬけて有名でしょう。小説仕立ての随筆というべき作品で、四季折々の自然描写や思い出などがしっとり書かれていて好ましい。
小説では短編小説集「蜘蛛の巣の家」が読まれています。
収録されているどの作品もビクトリア時代のガチガチの身分社会に生きる庶民の姿が鮮やかです。
庶民の主人公、そして少し身分の違う(高い)下宿人や家庭教師という舞台設定が多く、現代の日本人が読むと違和感を覚えます。
身分が高いといっても、決して貴族などではないのですから、どんな基準で身分の違いがあるのか判りません。
「ゆかしい家族」という小説は、つつましい生活を送っている30過ぎの女性が、父の遺産である貸家を借りている身分の高い家族から、どのようにして延滞している家賃を取り立てる事が出来るかと、悩むところから話が始まります。
続く
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2015年11月24日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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