ユーゴーえらい
このところ咳が続いたので用心して外出を控えていました。
そうなると本を読むことが増えます。
誰も読まないユーゴーの「九十三年」を読んでみました。「レ・ミゼラブル」が割と好きですので、手を伸ばしたのです。
表題の「九十三年」は1793年の事で、つまりフランス革命のピークの1年が舞台です。
ユーゴー自身は19世紀に入って産まれましたので、彼にとっては歴史小説です。小説と言うより歴史講談に近い感じ。
革命とそれに反対する勢力の拮抗する現場を、あたかも見てきたように描いています。国民公会という議事場の場面などでは、議員一人一人の簡単な描写、紹介までしています。その数106人❢❢
感心するのは、登場人物の一人に最後の方で「広大な天然資源を利用することです。風力であれ、落水であれ、磁力であれ、何でも利用することです。(略)波の運動や潮の干満を考えてみてもこの大きな力を何ら利用していないありさまです。大洋の力を利用しないなんて馬鹿げたことじゃありませんか❢」と語らせています。未来を見据えていますね。
ユーゴー、ただ者ではありません。
現在、潮文学ライブラリーというシリーズとユゴー文学館という全集で読めます。他にキンドル版もあるとの事。
以前は岩波文庫や潮文庫や筑摩書房の世界文学大系にも収録されていました。これらは古本屋でお探しください。
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2016年5月25日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |