安藤鶴夫、そして俳句
蒸し暑い毎日です。
こういう時は、さらっとした文章を読むのがよろしいようです。
私の一押しは安藤鶴夫さんの本。
この人の寄席小説も良い、東京の下町気分が横溢したラジオドラマも良い、随筆はもちろん最高です。江戸っ子らしいあっさりした気分と、瑣事へのこだわりがミックスされて味が深い。
安藤さんはごく短い期間ですが、印刷会社の精興社に勤めました。義太夫の会で(安藤さんはセミプロ)社長と知り合ったのだとか。自分の本が精興社の美しい活字で印刷されるのを夢見ていた、とどこかで書いています。
ちなみに死後、朝日新聞社から全6巻で出た彼の作品集は精興社の印刷です。この本、昔は高かったのですが、今は馬鹿に安いです。買うなら今でしょう。
さて、O書店さん、お疲れの中、俳句に励んでおられます。
花街を 恋し恋しと 蝉しぐれ
これは良いですね。彼の生活を知っている人には、ははーんと判る句ですが、客観的に見ても優れています。一寸小唄の文句のようで、洒脱です。
いや、参りました。安藤鶴夫さんでも褒めるでしょう。
タグ
2016年8月4日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
トラックバック&コメント
この投稿のトラックバックURL: