オーディオ、事始 その3
ここまでのところ、イメージしていただけたでしょうか。普通のレコードプレーヤーのターンテーブルの上の、レコードだけを指で押さえて、時計回りに回している。そして、レコードにはピックアップアームがのっかっている感じです。
お若い人には、レコードプレーヤーの説明からしなければいけないかもしれませんが、今回はパス。
我が家で、テレビやラジオ、楽器以外から、初めて音楽の再生音が鳴った瞬間だったと思います。
少し早目に回すと、早口で。ゆっくり回すと牛の唸り声のような低い声で、「虫の声」のソノシートは唄ってくれました。紙製のサウンドボックス構造、鉄針、振動媒体にセロハンを用いるなど、原理的には昔の初期の蓄音機となんら変わらないのです。
説明書きには、「おうちにプレーヤーがあれば、それで聴いてください。もっとよい音で楽しめます」と要らざるお節介をやいてくれていました。
我が家にステレオが入ったのは、それからはるかに後のことで、そのころには「虫の声」のソノシートは跡形もなく消えていましたので、よい音で聴くチャンスはありませんでした。
しかし、そのささやかな体験が、再生音楽に対する、私の一生を通じての興味を導いたことになったのではないかと、この頃感じています。
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2011年11月29日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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