おまけは美味しい
一昔前の各種文学全集には大体、月報が挟み込まれていました。おおよそ8頁前後、10分ほどで読めてしまえますが、文学者や芸術家の人柄がよく出たエピソードなどが多く、愛好者もかなり多いらしいです。
出版社が合本して出したり、読者が自分で製本したものを時々みかけます。最近も、筑摩書房の「現代日本文学全集」全99巻の月報を製本したのが入荷しました。自家製の製本ですので2分冊になっていました。
拾い読みをするとなかなか面白い。永井荷風集の月報で小門勝二氏と相磯凌霜氏が対談して、荷風の偽短冊の話が出ていました。荷風家出入りのH氏が大量に荷風の偽筆を売りさばいていたとのことで、つかまされた被害者が荷風の判断を聞きに行ったところ、「俺よりもうまい!」と言ったとか。被害者ががっかりしたので、荷風が気の毒に思い、扇面を書いてあげたなどという、良い話が載ってました。
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2011年12月17日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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