相撲の味わい方
初場所が波乱含みになってきました。
魁傑の現役時代は、彼のファンでしたので、それこそ夜中のスポーツニュースまで気になっていたのですが、最近では、白鵬が十両時代から横綱になるまで、少し注目しただけです。
音楽評論家の吉田秀和さんは、横綱になった常の花の大変な贔屓だったらしく、小学生から中学時代にかけて苦しくなるほど応援したと、エッセーで再三書かれています。あんまり苦しかったので、意識的に相撲から離れてというか、常の花が引退して、やっと呪縛から逃れたのですが、昭和35年、栃若時代の終わりに、旅行先のテレビでふと相撲中継を見たのがリバウンドのきっかけ。たちまち新鋭柏戸に魅入られ、そのあとは大鵬、初代貴乃花と贔屓が続いて、奥さんに冷やかされながら、場所中は毎日ドキドキしてテレビの前に座ったとのことです。
吉田さんは大鵬の土俵入りを「華麗にして艶冶(えんや)」と評されていますが、よく表していると思います。私も美しいと思った記憶があります。最もその美しさが際立ったのが、大鵬の手の指先でした。すべての指を刀身のようにピタリと一つに揃えて所作をするのです。柏手を打つ時も、土俵中央でのせり上がりの時も指先は乱れません。
ここ10数年の横綱の土俵入りは、誰が指導したのか、指がばらばら、特に朝青竜や白鵬のせり上がりは手がじゃんけんのパアの形で、まことに見苦しい。白鵬は記録的な大横綱になるのですから、今からでも過去の映像で勉強してほしいと思います。
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2012年1月18日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |