実名報道
おくだ書店さんがブログを再開されていました。
おくださんのブログは文章がテキパキして無駄が無く、からりとしています。少しぼやき節が入るのもユーモラスな味があり、かねてからファンです。もう一つの大きな特徴は、実名の店名、氏名入りというところでしょう。
ブログでは、実名を避けてイニシャルを混ぜたり(池崎をI崎に)、ニックネームで書いたりが多いのですが、おくださんはそんな手段は用いません。正々堂々、青天白日の元に神戸組合や各即売会の様子がさらされます(時々は大阪組合も)。古本屋さんのブログは、古本屋さんが愛読者の事が多いので、イニシャルにしたところで、それが誰であるかは一目瞭然ですので、いっそ実名の方がサバサバしているかも。もちろん、実名が出たからといって問題になるような内容ではありません。たとえて言えば井伏鱒二の市井物みたいな感じ。ペーソスのあるアットホームな感覚と言えましょうか。
アットホームといえば、ディックさんのブログも、ご家庭の事を季節に応じて書かれていて、大変好ましく拝見しています。奥さまの事を「山の神」と称されて、ブログに再三登場されていますので、お会いした事は無いのですが、何か懐かしい。庄野潤三の小説みたいな感じ。
象々さんのブログは一見、酔っ払いのクダに見えたりしますが、とんでもない。文章の隅々まで神経が行き届いて、繊細きわまりなし。軽るみの中に真理を流し込み、洒落のめす技巧は天下一品です。とてつもなく厳密で真面目なのです。
皆様、古書店主の文章の至芸、一度ご覧になってください。
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2012年1月27日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |