遅ればせながらゴジラを
テレビで放送されて録画してあった「シン・ゴジラ」をやっと見ました。
つまらなかったです。
冒頭からして、ハリソン・フォードの「今そこにある危機」の冒頭のパクリと思われても仕方ないほどソックリです。出鼻をくじかれました。
配役に力がありません。アメリカの特使とやらもただ映画興行上、女性役、特に美人を出さなきゃという感じで出したにすぎず、演技は論外。女の研究者も性格設定が極端です。ただ、閣僚役の中にTPP交渉の甘利元大臣によく似た俳優がいたのはご愛敬でした。
肝心のゴジラの造形も、幼年期は全くのお笑い人形ですし、完成形も大して迫力は無い。
クライマックスのゴジラ退治の方法は唖然とするほどばかばかしい。その場面は寄ってたかってゴジラの歯を治療しているみたいに見えますね。肝心の場面で吹き出しそうになる絵柄は、演出センスを疑います。必殺液体を「〇〇パーセント注入❢」等と何回も叫ぶのもウルトラマンチックで子供っぽい。その前段階の爆薬を積んだ無人電車の突撃もミミズの集団みたいでした。
大体、その決死の作業を行っているのは最前線のその他大勢の無名の作業員ばかりで、肝心の主人公は遥か離れた場所で、作業の報告を受けながら陰気な顔をして突っ立っているだけです。若いくせに。これでクライマックスが盛り上がると思っているのでしょうか。あの2流のSF大作「インデペンデンスデイ」でさえ、最後の決死の総攻撃の時に副主人公格の人物に覚悟の突撃をさせています。やっぱりハリウッドは判っているのです。
こちらの映画に戻りますが、政治の場面が多すぎて、にもかかわらず、手続き論批判ばかりで、表面的で踏込は浅い。
映画最後の、これから新たな脅威が又、始まるかも的な暗示で終わるのも常套手段で感心しません。
総体的には、セリフの言葉を詰め込みすぎ。乾いたタッチを出そうとして失敗でした。そのくせ、貴様と俺じゃないか、腹で判るよな的な湿ったお涙頂戴風が見え隠れしてシラケます。逆に言えばユーモア不足です。
まとめとして言えることは、暗く陰気な印象が残るという事です。
結局、CG合成画面の自然さだけが取り柄の作品でした。
期待したのに、嗚呼。
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2017年12月4日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |