仕事してから!
読書の秋ですが、食欲の秋でもあります。え、立冬、過ぎてましたか。
書き出してしまったので秋のつもりでゆきます。腹がへって仕方がありません。子供みたいです。食前か、食後に何か一寸つまみ食いしてしまう、しかも甘いのを、これは異常ですね。ポテチの類は好きでないので、脂肪分や塩分は過剰にはなってないと思いますが、澱粉質がやたら多いです。糖尿予備軍かもしれないと、警戒してますが、体の要求には勝てません。
人間、五欲にさいなまれると言いますが、なべても食欲はより根源的だから抑制困難です。TVなどで、お昼ごはんでっせー、みたいなのは結構真剣に見てしまいます。場所をメモったりして。
同業の常盤書房さんのブログは、時々その、お昼ごはんでっせー、をされているので楽しみです。ご近所の隠れた名店を、一押しメニューの写真と共に紹介されています。ほんとに日常的な一駒がよく出ていて、気楽な感じで、私も行ってみようと思わせてくれます。
腹の皮がつっ張ると目の皮がたるむらしいので、仕事をきっちりしてからの事ですね、私の場合。
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2011年11月9日 | コメント/トラックバック(0) |
静謐な闘志
先日、小学校以来の友人二人と久しぶりに会って、お酒を飲みました。
一人は大阪の音楽ジャーナリストです。もう一人は、現在、福島市在住の医者です。3月11日から彼の放射線との静かな戦いが始まりました。ジャーナリストの友人は5月に直腸癌が見つかり手術、現在は抗がん剤治療を続けています。
二人は全く、それまでと変わらない、平静さを保っています。私からすれば、一番呑気なはずの自分が、少しばかりオロついているのを自覚せざるを得ません。
福島市は一応は平常の生活の姿を回復しつつあるそうです。でも、今まで見たことも触ったこともなかった線量計という機械が、深々と生活の中に入ってきています。誰もが経験した事のない、広島、長崎でもない、チェルノブイリでもない、福島だけの新しい形の放射線被ばく危機。安全基準が本当の意味では、誰にも明確でなく、除染の方法、健康診断の手法そのものにも、いろんな意見が出ざるを得ない状況で、医師である彼は、普通の人以上のいら立ちを感じているはずですが、愉快に軽やかにふるまってくれました。
入院などしたこともなかった健康な音楽ジャーナリストの友人は、ある日突然、癌患者として手術を受けなければならなくなり、その時点では、麻酔が醒めた後はまず、どの曲を聴こうかなど、考えていたようですが、実際は術後の疲労、抗がん剤の副作用でかなり参ったとのことでした。でも、現在は音楽現場にも復帰して、舌鋒鋭く音楽を語ってくれました。
二人の優しさに、感謝したいと思います。
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2011年11月8日 | コメント/トラックバック(0) |
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収穫の秋
庭に一本だけ柿の木があります。
葉を落して、枯れ木のようになった枝に実がなっているのですが、なかなか採る気がおきませんでした。木のまわりにびっしりと蜘蛛の巣が張っていて、それを払いのけるのが大変です。せっかく丁寧に張って、真ん中に大きなお腹を見せて、虫が引っ掛かるのを待っている蜘蛛の生活を滅茶苦茶にしてしまうわけですから。
しかし、柿の実はどんどん赤くなり、どんどん鳥に啄ばまれ、どんどん落下し始めては、そんなことも言ってられませんから、先日、脚立に上っておっかなびっくり、収穫に及んだわけです。ちょっと猿蟹合戦の猿になった気分です。腐ったのや鳥に穴をあけられたのなんか、下に投げつけたくなります。
果物はどんなものでも、腐りかけが一番うまいという持論をもっていますので、収穫は毎年遅れがちになってしまいます。今年は50個そこそこしか採れませんでした。でも、全く何の手入れもしないのに、毎年律儀に実を付けてくれます。庄野潤三さんではないですが、今年も柿の木は、よい実をつけてくれた、ありがとう、とでも言いたくなります。
皆さんの古本の秋の収穫はいかがでしょうか。豊作をお祈りいたします。
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2011年11月3日 | コメント/トラックバック(0) |
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斎藤家vs幸田家
暇なので、先日亡くなった北杜夫氏にからめて、もの書く一族について。
全集分量的には、幸田露伴をはじめとする幸田一族が圧倒的です。露伴全集44巻、幸田文(露伴娘)全集23巻、幸田成友(露伴弟)著作集8巻。青木玉さん(幸田文娘)著作若干。青木奈緒さん(青木玉娘)著作少し。
一方、斎藤茂吉一族は、斎藤茂吉全集36巻、北杜夫全集15巻、全集以後の著作多数、斎藤茂太(茂吉長男)の著作多数、斎藤輝子(茂吉妻)の著作少し、斎藤由香さん(北杜夫娘)著作若干と、かなりのもの。数量的には断トツかも。
家族全員著述家では山口瞳一家ですか。奥さんは歌集を持っているし、長男の山口正介さんも回想や小説集を出されています。
山口さんと同じくサントリーの社員だった開高健一家も全員参加。開高健全集22巻、奥さんは詩人の牧羊子。詩集をはじめ料理関係の本もかなりあります。娘の開高道子も料理本を出していました。全員亡くなられています。
毛色は少し変わりますが中村メイコ一家もそうかも。メイコさんは自伝をはじめ何冊も、旦那の神津善行さんは音楽エッセーを書いてますし、娘のカンナさんも著作は多いでしょう。メイコさんの父親は中村正常で大正から昭和初期にかけての売れっ子作家。
芸能系では岸田國士一家もすごい。岸田國士全集28巻、娘たちが頑張ってますね。岸田衿子(谷川俊太郎と田村隆一の妻だったこともあるらしい。ビックリ!)は童話、岸田今日子は女優でエッセイスト。
吉行淳之介関係も全員、著作を持っています。父親エイスケは小説、母親のあぐりは晩年、かなりの本を書いています。妹たちも理恵は同業の詩人で作家だし、和子さんは女優ながら軽妙な旅行記作家でエッセーもうまい。
才能は偏るのか、とびぬけた才能が他の人を少しずつ文筆の世界へと導くのか、微妙ですね。
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2011年10月30日 | コメント/トラックバック(0) |
九里丸、三亀松読みたいな。part2
さて、九里丸さんは大阪ミナミが地盤の東西屋さん(チンドン屋さん)の丹波屋栗丸の長男。商売敵のキタの東西屋さんが薩摩屋芋助といい、その娘に恋をします。ロミオとジュリエット。結局うまくゆきません。
即妙の話術がかわれて長じて吉本興業に加わってから、花月亭九里丸になります。お披露目の日、ジュリエットからも激励の花輪が届きます。名前ないけれどジュリエットかららしい。うれしく思います。
吉本の初代社長にかわいがられ、美人の恋人も紹介されたが、おもろい顔過ぎてと、結局逃げられました。ジュリエットに似た女だったので大ショック。気持も荒み、借金もかさんだ時に、社長が全部払ってくれた、そのおかげで死ぬ気になれて、薬を飲んだけれど結局喉をつぶしただけ。早口プラスつぶれた声で半分もお客にはわからないけども、愛嬌があって妙に人気が出ます。
そんな時、逃げた恋人が「あんたの子や」と言って、赤ん坊を押しつけてゆく。思い当たる節もある。
そのすぐ後に本当のジュリエットが「頼めた義理やないけど、この子、暫らく預かって。お父ちゃんのОK出るまで」と預けてゆく。花輪の恩義もあり、他人の赤ちゃんですが預かったが、何とその子はすぐに死んでしまいました。そして、九里丸の留守中にジュリエットが赤ちゃんを引き取りに来た際に、何もかも事情を知っている大家さんが、九里丸さんの子供をジュリエットに渡してしまいます。
後は次回に。
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2011年9月22日 | コメント/トラックバック(0) |