しつこくカント
カントのお話をもう一度。カントは生まれ育ったケーニヒスブルグからほとんど一歩も出なかったので、街の人達から多大の尊敬と敬愛を受けていました。有名な話ですが、カントが規則正しい時間に散歩するので、街の人達がそれに時計を合わせたと言われています。
カントの死後、彼の家財道具などの遺品が競売された時、人々はこぞってそれを求めたので、大変な高値になったということです。カントの銀髪で作られた環などは聖なる遺物扱いだったそうです。
ただ、残念なことには彼が長年住んだ住宅を残そうという動きはなく、旅館みたいなものになってしまったそうです。それも今では残ってないそうです。
残ってたら名所になって、カント・コーヒーやらカント・ワインなんてのが売られてたりしたかも知れません。ジャガイモを煮たりしたのが「カントだき」になったりして。
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2023年9月7日 | コメント/トラックバック(0) |
今から
ともかく本の後ろに隠れている本を引っ張り出してくるという作業を近頃、飽くことなく続けています。全く記憶にない本が多いのに呆れます。
昨日も、文庫を横積みしているのを少しづつ前にずらして後ろの本を確認してゆくと、綱淵謙錠さんの文庫本がどっさり出てきてびっくりしました。エッセイが多かったですがよく揃っています。どうしてこんなにあるの?と聞きたいくらいです。私が揃えていたことは間違いないのですから、不思議です。
その辺りには司馬遼太郎や池波正太郎のエッセイ類もかたまっていましたから、時代小説家の随筆に興味があったのでしょう。今からでも読んでみてもいいな、と思いました。
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2023年6月11日 | コメント/トラックバック(0) |
さすがです
「レコード芸術」休刊の話題を先日取り上げましたが、日本の景気の良い頃には、同種の音楽趣味雑誌が何種類も出版されていて、選ぶのに困るほどでした。純粋に音楽志向の人は「音楽の友」や「音楽藝術」、レコード好きの人は「レコード芸術」や「LP手帖」などを毎月読んだものです。
そしてここにステレオ装置が好きな一群もいて、そんな人達は「ステレオ」や「ステレオサウンド」、「ステレオ芸術」などを手に取りました。最近、倉庫を整理していたら1974年の「ステレオ芸術」が何冊か出てきました。自分で買った記憶が無いので、お客さんからの仕入れの中に混じっていたのでしょう。
かれこれ50年ほど前のものですから、今、パラパラ読むと時代のズレが面白い。こういう雑誌には決まって「読者のページ」とか銘打った投稿スペースが有りました。そこを何気なく見ていると「南條竹則」という人の投稿が目に入りました。「?」どこかで聞いた御名前です。
日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、中国料理の本や、チェスタートンのブラウン神父物、チャールズ・ラムのエッセイの翻訳などを精力的に出されている南條竹則さんらしい、と気が付きました。南條さんは1958年のお生まれですから当時16歳。
ヘッドホンを改良して、もっと多彩な状態の音を楽しめるようにすればいい、という趣旨のご投稿でした。16歳とは思えぬしっかりした文章で発想はユニークです。
栴檀は双葉より芳し。
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新年早々
昨日は多くの会社や自治体組織などで仕事始めだったそうです。個人営業の古本屋にとっては仕事始めも納めもありません。
大昔に大阪のある信用金庫に勤めていた頃は、毎年1月1日に、規定の役職以上のものは本店に集まって互礼会というのをやっていました。何のことはない、元旦早々から会長、理事長の自己満足のための演説会であり、全く迷惑なことでした。くだらない訓示を小一時間聞かされて、ビールやツマミで立食パーティー。それで解散。無意味でした。
大晦日のギリギリまで仕事をしていたのですから、元旦くらいはゆっくりさせてやろうという気持ちはなかったようです。新年早々、ひそかにムカついていたものです。今思い出してもムカつきます。まあそれが原因ではなかったのですが、私は11年勤めて退職しました。それ以後、互礼会はどうなったのか、その職場の友人と時々会っても聞きませんでした。
話に聞くのも嫌だったんでしょうね。
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2023年1月5日 | コメント/トラックバック(0) |
四天王寺秋の大古本祭り4日目でした
昨日から「四天王寺秋の大古本祭り」は後半戦に入りました。各店、精力的に補充しています。ただ、お天気の回復が遅れて、雨が上がったのは夕方になってしまいました。ほとんど雨の一日。
今回はコロナの水際対策が緩和されたためか、外人のお客様の姿が多く見られています。以前のような団体客ではありませんが、小規模、もしくは個人ツアーなのでしょうか、一人でゆっくりと本をお探しの姿が目に付きました。
外国の人にとっては、現下の円安は日本への旅行意欲を促すかもしれません。政府は円安メリットを大いに活かす、と言っていますが、過度の円安は日本人のほとんどの人にとってはマイナスでしかありません。円安容認とも受け取られかねないシグナルは出さないで、まず、普通の日本人が旅を楽しめるような状況にしてほしいものです。
そうすれば、旅行に使わなくても、読書にお金を回す人も増えるでしょう。古本屋は嬉しいです。そして日本人の知力がさらに高まれば、もっと誇らしい良い国になる可能性が増えると思うのですが。
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