支障なし

1955年の今日、岩波書店の広辞苑が誕生しました。私も昔、広辞苑を机の上に置いていたことがありました。しかし、あの重たい辞書を気軽に引くにはかなり抵抗があり、ちょっとした漢字調べには小型の辞書に頼っていたものです。



5月25日はもう一つの大辞書が完成した日でもあります。大修館の大漢和辞典全13巻の最終巻が1960年の今日、出版されました。編者の諸橋轍次が半生をかけて完成しました。諸橋と大修館社主の鈴木一平の出版苦労話は、出版史でも感動の1ページとして取り上げられたものです。



この大辞書も新版が出たため、旧版の13巻本は古書業界でも可愛そうなほどの値崩れになって、罪悪感を覚えるほどです。通常の使用には旧版でもほとんど支障がありませんから、欲しい人は今がチャンスです。古本屋に注文しましょう。



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親子

1902年の今日、5月23日は指揮者、チェリスト、教育者の斎藤秀雄の誕生日です。指揮の技術としての斎藤メソッドを確立して、彼の元からは日本、いや世界の檜舞台で活躍する演奏家が生まれました。その代表が、先日なくなった小澤征爾さんです。



斎藤秀雄の指導は激烈で、遅刻は許さず、言い訳は一切聞かない。怒ると色んなものが生徒に投げつけられたそうです。それでも生徒たちは彼をしたい続けて、彼の死後、サイトウ・キネン・オーケストラの発足に繋がりました。



斎藤秀雄の父親は斎藤秀三郎で、英語学者として優れた英語辞書を多く書きました。この人もユニークで、英語の語釈や例文に都々逸まがいの愉快な名文、迷文があふれています。昨今の真面目な英和辞書などとは全く別物で、今も古書として求められています。



どちらも、西洋の文化を日本人として咀嚼して日本に根付かせた、見事な親子ですね。



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またキダ・タローさん



キダ・タローさんには著作が何点かあります。初めての本は写真の「コーヒーの店 大阪 」です。保育社のカラーブックスの一冊として昭和58年に出版されました。主に大阪市内、大阪府下の喫茶店、軽食店を訪ねて、写真と軽やかでユーモラスな文章で紹介しています。



私も喫茶店によく通っていた時代の本ですから、とても懐かしいです。文中、マスターやママの本名が書かれていて、詳しい地図もついていますから、当時の資料としても興味深い。



表紙の成瀬国晴さんが描いたキダさんの似顔絵、似てますね。



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吉行さん

今日、4月13日は作家の吉行淳之介の誕生日です。1924年生ですからちょうど生誕100年になります。その割には出版の世界でも、これといったイヴェントもないみたいですね。少し不思議。



昔だったら生誕100年記念で大規模な全集が出たりしたものですが、この人、生前にすでにかなり完備した吉行淳之介全集が合計3度、短編全集が2度、長篇全集が1度、エンタテインメント全集が1度出版されていますから、今更という感じかもしれません。



「夕暮れ族」「すれすれ」などといった洒落た言葉をはやらせたりもしました。銀座のクラブでのマナーにかけては達人だったようで「ももひざ3年、しり8年」なんていう教訓も残しています。ホステス相手にさらっとまったく嫌味なくタッチするにはそれくらいの年季がかかるらしい。



お父さんが作家、お母さんが美容師のあぐりさん、妹二人が詩人小説家と、女優というように、才能のある人ばかりの一家でした。



本人は遊び人で紳士で対談の名人、文章の彫琢にかけては文壇随一と言われていました。今はあまり読まれていないのが残念。



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良い文庫

「日本の古本屋」に音楽文庫をたくさん登録しました。一昔も二昔も前に音楽之友社から出ていた、クラシック音楽に特化した文庫シリーズです。この文庫本でしか読めない本もあり、今でも需要はあると思います。



大田黒元雄や堀内敬三といった、音楽啓蒙書をたくさん書いた人の著作が多いのは仕方ないのですが、そういうのは掘り下げも浅く、流石にもはや生命を失っていると思います。反対に、作曲家のワーグナーが書いた「指揮について」なんかはちょっと他で手軽に読めないので貴重です。



猫が鍵盤の上を歩こうが、名ピアニストが弾こうが音は同じという主張で有名な兼常清佐の著作や、文学に関係したところではホフマンの「音楽小説集」などというタイトルもありました。これらもちょっと珍しい。



まあ、昔は良い文庫が出ていたものです。



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