晴天の初日

昨日は四天王寺春の大古本祭り初日でした。開場の10時までは境内は静かで、お客様の気配もあまりありませんでしたが、1時間後には、各店のテントの中、参道を問わず、大変なお客様であふれるようになりました。



お昼前後にはレジ待ちの列ができて。応対する店主たちもほとんど立ち詰めになりました。久しぶりの事です。幸い、お天気に恵まれ、さらっとした空気のきわめて気持ちの良い一日でしたのでお出かけしていただきやすくなったのが大きかったのではと思います。



テキヤ殺すに刃物は要らぬ、雨の三日もふれば良い、ということわざの反対みたいでした。



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女系

先日ふと、山崎豊子の「女系家族」を手に取りパラパラと拾い読みすると、たちまち止められなくなってしまいました。4代続いて婿養子をとって繫栄してきた船場の木綿問屋の当代主人が死んで、その葬儀の場面から小説は始まります。樒300対、15ケ寺の僧侶の読経をするようにと遺言していました。先に死んだ自分の妻の葬儀と同規模です。婿養子として万事に遠慮して生きてきた男の最後の意地ですね。



この主人に3人の娘がいます。出戻りの権高な長女、大人しそうだが油断ならない次女、こだわらないような感じだが実は強欲な3女と、あまり仲は良くありません。この3人に遺言書が開封されて内容が知らされます。バランスよく分けられているみたいですが、3人それぞれに胸に一物あります。



長女は少ないと思って、踊りの師匠に知恵を借りて立ち回ります。次女はすでに婿養子をとっていますのでお店の経営権は確保したものの、やはり不満です。3女は亡き母の妹である叔母を頼り、叔母は叔母で手なづけようとしています。



この3人の間をすいすいと泳ぎ回るのが遺言執行人の大番頭です。これはこれで大変な白鼠ならぬ黒鼠。これだけでもややこしいのに、そこに大人しかった主人が密かにかこっていた女が登場して3人による陰惨ないじめが始まります。



まあ思いっきり下品な「細雪」という感じですが、読ませてくれました。



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しょうかき

郵便受けを覗く時はちょっと楽しい気がします。郵便物もさることながら、色んなチラシが入っているからです。政治家の自慢げなチラシは一瞥もせずクズ箱に直行ですが、不動産や、新しく開店したお店、ちょっと怪しげな宗教関係などはつい見てしまいます。



最近多いのは不用品回収広告のチラシです。色んなものを無料で引き取るとうたっています。電気製品、パソコン、ワープロなども希少な金属が使われているらしく、書いてあります。ただし大型の冷蔵庫や洗濯機、ピアノなどはダメみたいです。テレビもだめ。こういったものは有料引取になると書かれています。



有料で引き取る品目の中に「消化器」が入っていました。びっくりしました。胃や腸などもお金を出したら持って行ってくれるのでしょうか。



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休んでください

小澤征爾さんが2月6日に亡くなられていたとのことです。私がクラシック音楽を聴き始めた頃、彼のレコードが少しづつではじめました。それも大手と言われるCBSやRCAやEМIからですから驚きました。私達の世代では、欧米の有名レコード各社から日本人の演奏家がレコードを出すことは大事件でした。それを小沢さんが初めて成し遂げたのです。



それどころかアメリカのいろんな名門オーケストラの常任指揮者に次々と就任し、一方ではヨーロッパでの活躍も華々しく、ついにはウィーン国立歌劇場の音楽監督にまでなりました。日本での活動も力を抜くことなく、サイトウ・キネン・オーケストラを立ち上げ、後進の指導にも全力を尽くし成果を挙げられました。



モーレツサラリーマンの音楽版みたいな生き方でした。彼が日本製のスクーターを提供してもらって、それで単身、ヨーロッパを走り回りブザンソンの指揮者コンクールで優勝したのがそもそもの始まりでした。小田実の「何でも見てやろう」に時代的にも一脈通じるものがありました。体当たりなんですね。計算した上の体当たり精神。



彼が日本の若手指揮者をボストンで指導していたとき、彼が与えたチャンスに対してその若手の取り組み方が消極的だと、その人をきつく叱ってこう言ったそうです。「自分(小澤)は与えられたチャンスを見逃したことは一度もない」



まあ、いつ回ってくるかわからないチャンスをモノにするためには、不断の努力が大切なことは言うまでもありません。外国で日本人が音楽の世界で成功するためには、努力とチャンスが同時に必要なことを彼は身を持って示していたのです。



音楽へのひたすらな献身でした。ご冥福をお祈りします。



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2024年2月10日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:古本 大阪 買取 音楽

あえのこと

全集や講座シリーズなどには付録の月報がついていることが多いです。本体の方にはなかなか手が出なくても、薄っぺらい、せいぜい8ページ前後の月報をつまみ読みすることはよくあります。



集英社から50年近く前に出た「図説 日本の歴史」の月報をちらりと見たら、能登の珠洲市の「あえのこと」について書かれていました。今大変な状況に置かれている輪島市や珠洲市など、奥能登地方には、国指定重要無形文化財、そしてユネスコの無形文化遺産でもある「あえのこと」という農業神事が昔から伝えられています。収穫を田の神様に感謝する行事です。



毎年12月5日に、行事を司る家に田の神様(夫婦神)をお迎えして饗応し、次の年の2月9日にお送りする行事です。その家の主人は裃、袴姿で神様を風呂場に案内してゆっくりとお入りください、と言ったり、座敷のお膳に並べた御馳走を一つずつ説明したり、神様を眼の前にいるごとく接待するので一人芝居みたいに見えますが、流石に古くからの行事ですので、厳粛極まりないものです。



その月報では新出さんというお家の「あえのこと」を紹介していました。偶然今日が神様をお送りする日です。「あえのこと」を今現在受け継いでおられる方には、どうかご無事で神事を全うされることをお祈りいたします。



(あとで本体の方の「図説 日本の歴史 第2巻」を読むと、写真入りで事細かに「あえのこと」の様子を説明していて、よく理解できました。)



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