蔵書処分

1837年の2月2日、昨日ですが、大塩平八郎は生涯に読み貯めた5万冊の書物を、大坂の4軒の本屋を集めてすべて売り払いました。千両ほどになったそうです。そしてその金を、困っている家1軒につき1朱与える、1万軒の家に与えるというビラを刷ってその本屋に配らせました。ビラ持参者に1朱与えたそうです。



時代は天保の大飢饉で、地方にも都会にも餓死者があふれるありさまで、大塩平八郎は幕府の無為無策、役人の腐敗、豪商たちの強欲ぶりに堪忍袋の緒が切れて住まいのある大坂天満に乱を起こすのですが、その前段階での事です。



彼の住まいが私の卒業した中学のすぐ近く、大蔵書家であったこと、彼の起こした反乱の火事が大塩焼けという大火になって、たぶん私の先祖の天満の家も焼けたのではと思うと、歴史事件の中でもとりわけ近しい気がしています。



古本 買取 和泉市

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2025年2月3日 | コメント/トラックバック(0) |

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狼に触る

昨日出先からの帰り、午後6時ころでしたがフロントガラスに大きな月が輝きました。満月です。アメリカでは1月の最初の満月を「ウルフムーン」と呼ぶそうです。



そういうとちょっと薄赤くて、何となく凄味がありました。



外(と)にも出よ 触るるばかりに 春の月



中村汀女の名句です。春の暖かい空気の中にゆっくり上ってきた月の大きさを「触るるばかりに」と表す感性と、「ウルフ」とする感性。どちら優れていると思います。



古本 買取 岩出市

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和泉市で出張買取

昨日は和泉市へ出張買取でした。何度もお伺いしているお客様です。たくさんの文学、芸術系の単行本、文庫本、新書など。また、美術展の図録もたくさんにお譲りいただきました。



徐々にご蔵書の整理を進めてこられて、理想的な形で身辺整理に取り組んでおられますが、私などからみると大変お元気で、88歳とは到底思えません。



読書がお好きな方の整理をお手伝いさせていただくと、何となく寂し気な感じになる方が多いのですが、この方は本以外にも多趣味でおられるので、明るく朗らかでとてもうらやましく拝見させていただきました。



古本 買取 和泉市

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2024年12月11日 | コメント/トラックバック(0) |

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山藤さん

イラストレーターの山藤章二さんが先月末に亡くなられました。鋭い、そして暖かい描線で人物を描き続けられました。手持ちの山藤本を数えると40数冊ありました。彼の描線、造形、文章がとても気に入っていたのでした。



初期のころは影響を受けたベン・シャーン風のささくれだったペンの味が素敵でした。日本の浮世絵の大首絵からもヒントを得ていたと思います。絵とともに彼の文章と書き文字の洒脱さにも感心しました。彼はイラストにはサインと西暦の年号を必ず入れていました。時事性の強い自分のイラストの賞味期間を意識していたのだと思います。



後期になるにつれてそのこだわりも無くなり、絵のタッチも墨絵風の柔らかさが前面に出てきて、もはやクロニクル風のきつい笑いよりも、人間の持つ本来のおかし味を楽しむ作風に変化したのだと思います。サインは朱印に代わり、日付は不要になりました。



山藤さんは和田誠さんと並ぶ昭和の絵師でした。和田さんは下手に真似る人が出てきていますが、山藤さんを真似る人は出てきそうにありません。



古本 買取 京都市

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「たにまち月いち古書即売会」

お知らせするのが遅くなりましたが、恒例の「たにまち月いち古書即売会」が開かれています。今日が最終日、お急ぎください。



場所  大阪古書会館



時間  午前10時から午後4時まで



大阪谷町筋4丁目と6丁目の中間。5丁目の交差点を西に入って最初の角を左へ。大阪メトロなら、谷町線4丁目でも6丁目で降りても構いません。ご覧になってから南森町駅まで乗って、天神橋筋3丁目の古本街を見るのもいいですね。いま天神祭りの前景気で賑わっています。



古本 買取 大阪

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