最後の音楽

フジコ・ヘミングさんが亡くなって、そもそもフジコ・ヘミング・ブームを巻き起こしたきっかけを作ったNHKが追悼番組を放送しました。



昨年秋に自宅の階段から落ちて重傷を負ったヘミングさんを、病院でのインタビューと、元気な頃の世界各地でのコンサート映像を絡ませて、カメラがとらえていました。改めて、その特異な演奏家としての生涯を振り返って、音楽に生涯を捧げた人生だったと人々に告げています。



その番組の終わりの方で、リハビリ病院で車椅子でピアノに向かった彼女が、もつれる指で和音を探るように音を出していましたが、曲にはなりません。もどかしそうに何度か繰り返しました。と、突然モーツァルトのトルコ行進曲付きのソナタの第1楽章冒頭が、たどたどしいけれどもつぶやくように弾かれました。それで満足したのか彼女はピアノの蓋を自分で閉めました。



それが彼女の生涯最後のピアノ演奏になりました。



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2024年5月28日 | コメント/トラックバック(0) |

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