面白いオースター

ポール・オースターというアメリカの作家が最近亡くなりました。新潮文庫からかなりたくさんの作品が出ています。「ムーン・バレス」もその一つ。



題名の「ムーン・パレス」は実在だった中華料理屋の店名だそうです。主人公の青年がよく利用した店です。日本で言えば「王将」みたいな感じでしょうか。孤独な主人公が行き倒れになりかかったときに昔の友人達に助けられ、車椅子の老人の介助のバイトをするのですが、この老人というのがとてつもない人間で、自分勝手で、お喋りで、気難しく、そして優しい。



老人が自叙伝みたいに自分の過去を無秩序に語るのを筆記するのも仕事なわけですが、それがやたら面白いです。読んでいただくしかありません。



なお、この面白さは訳者の柴田元幸さんの訳文の面白さでもあります。



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