女系
先日ふと、山崎豊子の「女系家族」を手に取りパラパラと拾い読みすると、たちまち止められなくなってしまいました。4代続いて婿養子をとって繫栄してきた船場の木綿問屋の当代主人が死んで、その葬儀の場面から小説は始まります。樒300対、15ケ寺の僧侶の読経をするようにと遺言していました。先に死んだ自分の妻の葬儀と同規模です。婿養子として万事に遠慮して生きてきた男の最後の意地ですね。
この主人に3人の娘がいます。出戻りの権高な長女、大人しそうだが油断ならない次女、こだわらないような感じだが実は強欲な3女と、あまり仲は良くありません。この3人に遺言書が開封されて内容が知らされます。バランスよく分けられているみたいですが、3人それぞれに胸に一物あります。
長女は少ないと思って、踊りの師匠に知恵を借りて立ち回ります。次女はすでに婿養子をとっていますのでお店の経営権は確保したものの、やはり不満です。3女は亡き母の妹である叔母を頼り、叔母は叔母で手なづけようとしています。
この3人の間をすいすいと泳ぎ回るのが遺言執行人の大番頭です。これはこれで大変な白鼠ならぬ黒鼠。これだけでもややこしいのに、そこに大人しかった主人が密かにかこっていた女が登場して3人による陰惨ないじめが始まります。
まあ思いっきり下品な「細雪」という感じですが、読ませてくれました。
古本 買取 尼崎市
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2025年2月13日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |


