運命
手近に井上ひさしさんの「本の運命」という本があったので、パラパラと読みました。生い立ちから初めての本との出会い、本へののめり込み、積もり積もって13万冊の遅筆堂文庫の誕生のいきさつ、などが良いテンポで綴られていて、本好きにはたまらないと思います。
中でも、手放した漱石全集がアイオワ大学の図書館にある、という知らせをもらってびっくりしたり、これまた一度は手放した圓朝全集を買い戻したら、かつての自分の本だったという話など、本の運命にまつわる話などは古本屋として、うなづかされました。
確かに普段から、江戸時代からの本なども手に取っていると、人の何倍もの命を持っている本は、それこそ色んな運命をくぐり抜けてきたのだと思います。
その運命の1ページを古本屋で過ごしている本たちが、新しく読んで貰える人に巡り合って、より良い運命を全うできる手助けをして行ければと思いました。
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2023年9月28日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:古書