変な全集

買取にお伺いすると、お客様の御都合で、どうしても持って帰ってほしいという本を、買い取る本と一緒に出されて困ってしまうことがあります。半ば条件みたいに持ち出されると、断ることもできません。



先日も、平凡社の「世界名作全集』をごっそりと持ち帰りました。全70冊と別巻が3冊付いていました。ご存じの方もおられると思いますが、平凡社が昭和33年から昭和36年頃にかけて出した、当時流行りの文学全集の一種です。これは世界文学と日本文学が一つの全集に混在しており、おまけに判型が文庫サイズ、それでも布装の厚表紙、箱入りという、空前絶後というべき内容と外見の全集です。かなり変わっています。



百均などの棚や台で一度くらいはご覧になったことが有ると思います。濃い小豆色の装丁で一冊が実に分厚い。そこへさして世界文学の大長編、「ジャン・クリストフ」や「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「風と共に去りぬ」「静かなるドン」「大地」など、日本文学では「源氏物語(現代語訳)」や「夜明け前」「人生劇場」などを全3冊や全2冊で収録したものだから、他の作家たちは一人一作品みたいな収録のされ方で、これも不思議な感じでした。



いま、大長編のラインアップを挙げましたがこれもよく見ると、他社の全集ではあまり見かけない作品が混じっています。尾崎士郎の「人生劇場」です。これを2冊を使って収録するのは実に珍しい。「クゥオーヴァーディス」「エジプト人」各1冊などという、他の全集には絶対に収録されない作品もあります。昔はこの2冊だけ古書価が高かった記憶があります。



この全集は他にも「家なき子」や「アルプスの少女」「若草物語」「小公子」「子鹿物語」「風の中の子供」「三太物語」などの児童文学も多数収録していて、当時の朝日新聞の書評欄で「お子様ランチ」と揶揄された、と平凡社の社史にも書かれています。私なら、デパートの大食堂、と言いたいところです。



ともかく変な全集ですが、今となってはそのユニークさがかえって貴重かもしれません。月報も力を抜かずに毎巻8ページで挟み込まれています。



お客様に、私の全集好き、厚い本好きを見透かされたみたいな気がしますが‥。



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