堺市で買取、ありがとうございました
文芸書などお譲りいただきました。ありがとうございます。
ついでといったら怒られますが、世界文学全集も引き取らせていただきました。本体よりも、挟み込まれている月報に読みたい内容があったからです。河出書房さんの名高い世界文学全集。色んな種類がありますが、これは3期にわたって、25冊づつ刊行された時のもので、各期ごとに本体の色が変わります。最初は青、次は朱、最後が緑と言う派手なものでした。
収録内容も、当初の予定から細部がコロコロ変わり、今なら到底許されないルーズさです。見切り発車の典型です。大宣伝を打ってから版権取得に動いたり、他社の翻訳をひっぱったりと忙しい。挙句、第3期が始まって間も無い昭和32年の3月に倒産、河出書房新社として再スタートして配本を続けることになるのです。
そのあいさつ文が同年6月配本の「デフォー、スウィフト篇」の月報1頁を使って掲載されています。
結局、本巻75巻は完結はするのですが、それ以外に、別巻として「水滸伝全2巻」「ダルタニャン物語全6巻」「シャーロック・ホームズ全集全3巻」を刊行するとぶちあげながら、「ダルタニャン物語全6巻」の内の第1部をなす「三銃士」は第3期の第25巻に既に入ってしまっているという訳のわからなさ。結局、第3期に当初収録予定のゴールズワージ「フォーサイト家物語」、ジュール・ロマン「作品集」、メイラー「裸者と死者」、の3冊がことごとく計画倒れに終わった事が、影響しているのでしょうね。
文学全集出版が熱かった時代の一挿話でしょう。
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2012年5月26日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |