筑摩とヴァレリー
今日10月30日は筑摩書房の創立者、古田晁の命日です。1973年に亡くなっていますからちょうど没後50年です。長野県出身で、同郷の臼井吉見、唐木順三達をブレーンとして迎え、戦前に世界に先駆けてヴァレリー全集を出しかけるなど、優れた出版社としての礎を築きました。
戦後は「現代日本文学全集」や「世界文学大系」など100巻前後の巨大な全集シリーズを成功させて、悲願の「ヴァレリー全集」も出し、良心的出版社として揺るぎない地歩を固めましたが、古田の死後、良心的すぎて売れない本も多くなり、会社更生法の適用を受けて再出発します。
それ以後は順調に推移して、他文庫に比し後発の「ちくま文庫」なども今や毎月の新刊が読書家の注目の的になり、安泰と見えます。やはり創業者の目指した良心的出版は強いということですね。
ちなみに古田がこだわったヴァレリーの誕生日が、やはり今日なのは奇しき因縁みたいです。
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2023年10月30日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:古書
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