ふと読んだら

白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう      (「魚歌」所収)

午後にかけて海は傾く船付場の岩壁の上に誰も立てない          (「魚歌」〃)

たのしみて歩く事などもなくなりしと立止りつつふと思ひたり       (「朱天」〃)

屠場に来し馬が時待つあひだにてそこの短かき草食みて居り        (「風に燃す」〃)


積み上げてある未整理の歌集をふと読んだ中から、抜き出してみました。

最初の「白い手紙」なんかは、俵万智さんの作品みたいですが違います。

どれも斎藤史さんの短歌です。「魚歌」所収は昭和7年前後、「朱天」所収は昭和15年から18年、「風に燃す」所収は昭和36年の作品。

「たのしみて」は、戦意昂揚的な作品しか発表できなかった時代に、ひっそりとつぶやいたような佳作ですし、「屠場に来し」は、静かな諦念を写実に潜めているだけでなく、人間を含む生命の姿が歌われていると思います。

それにしても、「魚歌」の2首の斬新さには驚きます。

2・26事件に連座した陸軍少将、歌人の斎藤瀏が父親でした。

長野県安曇野に居を定めて、東京と距離を保ちつつ作歌した姿は、奈良の吉野から発信し続けた、歌人の前登志夫さんと好一対です。


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