午年の田楽
先日、桂米朝さんの干支の噺を書きました。
今年は午年です。
米朝さんは、午年の年初めには、「馬の田楽」をされることが多かったようです。
馬車を曳いた馬方さんが、荷物を降ろすべきお店を間違えている間に、近所の子供たちが馬の尻尾の毛を抜いて遊びます。
痛かったのか、馬が首を振った拍子につないでいた紐がほどけて、荷車ごとどこかへ行ってしまいます。
店から出てきた馬方さんがびっくりして、子供たちや往来で仕事をしている人、通りがかりの人たちに馬の行方を尋ねまわりますが、皆、のーんびりとしたふざけた事しか言ってくれません。
積荷が味噌樽だったので、
馬方「味噌樽を積んだ馬、味噌をつけた馬、知りまへんか?!」
男 「なにを言うんじゃいな、わしゃこの歳まで、馬の田楽は食うたこと、無いわい」
と言うのがサゲですが、それまでに登場する子供たちや、少し耳の遠い人とのやり取りは、抱腹絶倒です。
馬方一人だけがあせりまくり、ほかの人たちはトンチンカン。この対照のおかしさが噺の眼目でしょう。
タグ
2014年1月13日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
トラックバック&コメント
この投稿のトラックバックURL: