彷徨
ドクターたちの厳しい言葉を聞いて、遠方から駆けつけて下さった方たちや家族、親戚などが重苦しい空気に包まれているとき、私はどうであったかと言うと、またしても点滴の管を抜こうとしたり、足をばたつかせてドクターを蹴ったりと無意識に狼藉を繰り返していたようです。患者の安全確保が必要になり、家族の了承の下、全身拘束されました。
それらも何も知らず私はひたすら夢の中をさまよっていました。今でもはっきり思い出せますが、黒い枠を背景にスクリーンがあり、そこに極彩色のアニメのような映像が延々と写されるのです。
西洋の中世騎士が甲冑姿で次々に溢れるように飛び出してきたり、ポップなリキテンシュタインみたいなタッチのダンスホールみたいな場所になったりと、めまぐるしいのですが、いつまでも続いて、きりがありません。早く覚めて欲しいと夢の中で私は猛烈にあせっていますが覚めてくれないのです。
投与された睡眠剤などのせいか、4日間、意識不明という夢の中に私は漂っていました。
続く
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2015年6月14日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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