子どもと落語
ポプラ社は児童書の出版社ですので、子供向けの落語の本も出していました。桂米朝の「落語と私」が有名ですが今日の話題はそれではありません。
「子ども落語」全6巻です。1巻平均20席収録ですから、全部で落語120席。堂々たるものです。
先日の仕入れに混じっていました。
著者は柳亭燕路。「落語家の歴史」という立派な著作も残している落語家です。
この「子ども落語」、単に子供向けにリライトした落語集かと思いましたが、なかなか、そんな単純な物ではありませんでした。
「寿限無」「子ほめ」「佐々木裁き」「桃太郎」「初天神」など、子どもが出てくる話はもとより、「かんじょう板」「紀州」等の短めの洒落た噺、「馬のす」「猫の茶碗」「のめる」等の皮肉な噺、「花筏」「しぶ酒」等の、子どもには難しいだろう噺まで収録されています。廓噺は流石にありませんが、これは仕方ないでしょう。
その代わり、各巻には「中入り」と称して、「いつもより多い目に回しております!」の海老一染之助・染太郎や紙切りの林家正楽、奇術のアダチ竜一、曲独楽の三益紋也といった、どちらかと言うと地味な色物の芸人さんからの聞き書き対談を挟むなど、芸能好きには堪らない内容になっています。
落語ブームの昨今、復刊して欲しいものです。
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2015年7月23日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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