スタミナ小説
「レ・ミゼラブル」は映画になったり、ミュージカルにアレンジされたりと、現代でも大いにもてはやされています。
ところが、オリジナルの小説はかなりの長編ですので、なかなか取り付きにくいかもしれません。
小説中、作者ユゴーの無駄話というか脱線が、小説の筋に関係なく延々と続くのも通読を妨げますが、それが一面、不思議な味と言えなくも無い。
歴史論、ワーテルローの戦い、フランスの浮浪児の歴史的考察、修道院について、隠語論、パリの下水道の歴史など、テーマも様々です。
下水道の歴史など、小説の後半、下水道を通ってジャン・ヴァルジャンが、将来コゼットの夫になる青年マリウスを助けて逃げるので、あらすじと関係なくも無いのですが、2段組の全集本で12ページにわたっての下水道の大論文は、いささか重いものがあります。
「ワーテルローの戦い」に至っては実に32ページを費やしています。
つまり中身が多すぎて横から溢れたサンドイッチみたいな小説ですが、ユゴーのスタミナにはただただ感心します。
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2015年8月19日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:お勧め本
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