世界文学全集、読まないと損 続
この全集、古本で見かけることはあまりありません。業者の市でも、揃を見たことがありません。
あまり売れなかったのでしょう。全集ブームの時期が、完全に終わりかけていたころに出始めたのがネックでした。それと全集としての統一感のある装丁をせずに、箱の上に、各巻異なった装画があしらわれたカバーがかかっているのも問題です。一冊だけ買っても違和感が無いように、単行本の感覚を出したとのことですが、それがかえって裏目に出たかもしれません。
応接間や客間の飾りとしての全集が、購買者の動機として、重要だった時期があります。亀倉雄策氏が河出書房の各文学全集に施した装丁は、明らかにその目的を担っていたと言えるでしょう。吉永小百合がほほ笑みながら、その一冊を手にしたポスターやチラシが思い出されます。たしかに、それらがズラリと並んでいるところは、変な存在感があります。
講談社のこの全集が並んでいるところは、何か白タイルの風呂場みたいな、ツルッとしたテカリがあります。
続く
タグ
2011年11月23日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
トラックバック&コメント
この投稿のトラックバックURL: