師弟対談
桂枝雀さんの本はありそうで、生前はあまり出ていません。
落語集は無かったかと思います。その代わりに対談集がありました。テレビの「枝雀寄席」のゲスト対談の部分を活字に起こしたものです。パラパラ読むと、大層面白い。
トップが、桂米朝さんとの対談です。お互いに少し恥ずかしそうです。
開口一番
米朝「ええ家ができたね」
枝雀「ええのをこしらえて貰いました」
米朝「庭もええやないか」
枝雀「放送が終わったらあとかたも無うなりますが、ええ庭です」
米朝「しばらくここで暮したらどうや」
これが、セットを眺めまわしながらのやり取りです。普通の家の座敷のようなセットでした。これから調子が少しずつ出てきて、対談らしくなります。
米朝「40年たつと、どんなあかん奴でもあかん奴なりに、下手は下手なりに(略)味が出てくるものや。昔の万年前座といわれながら40年、50年もやっている人の落語は味があったなあ」
枝雀「まあ40年辛抱するちゅうことは難しいでしょうけどね」
米朝「できるこっちゃない。40年も下手でおるてなことは、難しい」
枝雀「最初から狙えることではおまへんわなあ(略)」
いい話でしょう。自然に落語になっています。
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2011年12月22日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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