素敵な俳句

古本屋俳人のOさんの近詠のご紹介です。



 蛍火が 導く先の 逢瀬かな



 水茄子や 他国へ行けぬ 村娘



 白牡丹 美女も醜女も いずれ散り



 白玉や ネイルの赤と 銀の匙



どの句も手練の感が強いですね。少し楽々と作りすぎている気もしますが、形もよいしスッと腑に落ちます。「水茄子」の句は、水茄子が他の地域では育たないのを踏まえての考え落ちみたいですが、巧みです。「白牡丹」はOさんのその方面の年季が感じられます。お金がかかっています。「蛍火」はきれいですね。情感に満ちています。泉鏡花みたい。



私は最後の「白玉や」が、大昔の映画雑誌の表紙でアメリカの女優が微笑んでいるみたいなのが豪華で、一番好きです。



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