読書で疑似体験
誰も刑務所には入りたくないでしょう。でも、どんな所か興味はあります。世間には刑務所本とでも言うのか、その手の本がたくさん出ていて、好奇心をある程度は満足させてくれます。
囚人だった人や、刑務官だった人などが、リアルに語ってくれていますし、写真などが添えられていて映像的なイメージもかなり充実していますが、如何せんプライバシー上の配慮もあるのか、鮮明さに欠けるような気がするのです。
そのあたりの欲求不満を一気に解消してくれる本が、意外な分野から出ている事は、皆様ご存じでしょうか。
「刑務所の中」。花輪和一さんの名著、名漫画です。
漫画に徹していながら、どのような写真よりもリアルな迫力を持っています。最近では文庫本にもなっていて、もはや古典といってもよいでしょう。読めば刑務所体験ができます。
花輪さんが描かれる戦国時代や平安時代風の、怪異譚めいた時代物は以前から熱狂的なファンを持っていたのですが、「刑務所の中」以降、現代と過去の時空を超えたパラレルワールドのような不思議な世界を別著「刑務所の前」で開拓され、ますます天才の名に恥じない天衣無縫振りが際立ってきています。
まだお読みでない人は体験してください。
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2012年1月26日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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