アカーキイの誕生日
ずいぶん暖かくなってきて、オーバーやダウン・ジャケット、そして古めかしい言い方ですが、外套が要らない季節になってきました。
今日、3月22日はアカーキイの誕生日です。
誰?と尋ねられて、答えたとしても、「何のこっちゃ、しょーもない」と言われそうなほど下らない話題です。
それでもお教えしましょう。ロシア文学がお好きな方はお分かりでしょう。ゴーゴリの「外套」の主人公の名前です。
アカーキイ・アカーキエヴィチが正確な名前。今日の夜遅くに生まれたと小説「外套」の中で書かれています。
名前からしておかしいのですが、あらすじはもっと変です。
さえないサラリーマンのアカーキイの外套がポロポロなので、同僚たちがひやかします。清水の舞台から飛び降りた気になって新調して、同僚たちからほめられ、新調のお祝いの会と称する場所へ出かけましたが、帰りの道すがら、強盗に外套を奪われてしまいます。あわててその筋の(警察?)お偉いさんに直訴に及びますが、そんな下らぬことを直接訴えるとは何事じゃと、大目玉を食い、そのショックで死んでしまうという、シュールで怖い話なのです。
多分、ロシア人の好きな大ボラ話の変形と思うのです。気の小さい人は、何がショックでどうなるかわからんぞということを、大げさに書いたのでしょう。
名作です。
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2012年3月22日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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