興味が湧く

今日、5月26日は夏目漱石が最後の新聞小説「明暗」の連載開始をした日です。冒頭、痔の手術の事前検査の場面から始まります。

医者は探りを入れた後で、手術台の上から津田を下した。 「やっぱり穴が腸まで続いて（以下略）」

漱石自身も大変な痔主だったので、自分の経験が存分に小説に利用されたものと思われます。これはどうやら痔瘻だったみたいです。

今もご活躍の、大学で長く教えておられた小説家の山田稔さんの「スカトロジア」という本も、痔の手術の描写にあふれています。こちらはイボ痔だったようで、医者が患部を図に描いて説明するときに、痔の山の一つ一つが立体的に描かれていて、影まで付けられていたと、小説には書かれています。

この2つの小説に共通することは、どちらもちっとも汚くなく、清潔に畫かれているということでしょう。

病気のことが書かれた小説には妙にひかれます。普通の人も自分の病気や入院体験をお書きになると、他人にとっても、とても興味深いものになると思います。

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