長命な女流作家と芥川
ちょっと思いついて、長生きされた女性作家さんを調べてみました。ダントツは佐藤愛子さんでしょう。102歳でご存命です。その次が99歳の野上弥生子さん、同じく99歳の瀬戸内寂聴さん、98歳の宇野千代さん、94歳の佐多稲子さん、93歳の曽野綾子さん、91歳の田辺聖子さんたちが続きます。佐藤さん以外は没年齢です。
この中でちょっと地味なのは佐多稲子さんでしょう。プロレタリア作家としての経歴が関係するのでしょうか、最近読まれているとは言えないと思います。でも作家歴は長く、芥川龍之介や堀辰雄、中野重治たちと交流し回想なども書き残されています。佐多さんは睡眠薬自殺を図ったことがおありだったようです。それと関係した話として、佐多さんの随筆集「ひとり旅ふたり旅」の中に芥川龍之介の自殺3日前に会ったことが書かれていました。
芥川が堀辰雄に、佐多稲子(当時は窪川稲子)に会いたいと言ったので、当時夫だった窪川鶴次郎と堀辰雄に連れられて芥川に久しぶりに会ったとのことです。芥川は佐多稲子さんが自殺未遂者だと知っていたらしいです。顔を合わせると芥川は「あなたの飲んだ睡眠薬は何でしたか」と尋ねたそうです。それから、また死にたいとは思わぬか、とか、その後体は丈夫か、とか質問したとあります。
かなり不躾でその時は佐多さんはびっくりしたらしいです。でも3日後に芥川が睡眠薬自殺したことを聞いて、ああ、と納得したと書かれています。死に損なった人間の顔を見ておこうと思ったのでは、と推察しています。芥川らしい慎重さだとも書かれていました。
興味深い話だと思います。
古本 買取 泉佐野市
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2026年2月12日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |


