続 新年と日記
「古川ロッパ昭和日記」全4巻は晶文社から出ています。昭和9年から昭和35年にわたる日記です。
各冊900ページ前後というボリュームですので、通読など考えず、偶然開いたページを漫然と読む、興味ある話題が見つかればそれを追って読む、調べたい役者、演出家などの事は索引を利用して読む等、アプローチの仕方は色々です。
とにかく事実のオンパレードですが、特に食べ物関係への執着が最も大きなテーマになっているのは間違いありません。朝昼晩三食のメニューはもちろん、味や店についての寸評など、東京の食事情を調べるには欠かせない資料でしょう。
もちろん演芸資料としても欠かせません。特に芸人に対する辛辣、冷徹な批評は毎頁と言ってよいでしょう。
森繁久彌がこの日記の宣伝パンフレットにも書いている有名なエピソードがあります。
ロッパ他10名ほどが料亭に招かれた。森繁が遠慮して、部屋のどこに座ろうか、「下座はどこでしょうか」とロッパに尋ねると、「どこへでも座れ、お前が座ったところが下座だ」と言ったとか。
いかにもロッパらしい言い草です。
続く
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2016年1月3日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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