続々々 新年と日記
古川ロッパの日記は資料として淡々と読む分には良いのですが、感情移入すると、愚痴や罵倒、厭世観があまりに多く滅入ってしまう面があります。
大阪へ遠征して舞台を務めると、力が入ってないのに大受けするのが気に食わず、大阪はこの程度、これで良いのさ、とうそぶいています。
そうかと思うと、物資が不自由になりつつある太平洋戦争中、吉本興業から大阪に呼ばれたときは、林正之助氏が終演後、「上方」という料亭で毎晩、ご馳走の大盤振る舞いしてくれるのが嬉しいらしく、拝まんばかりに喜びを書いています。
そして、ロッパ一行が大阪を去る時、駅で先に待っていて、列車に率先して乗り込み座席を取ってくれる林氏について、「こんな重役が東宝に一人でもいるか」という感想を書いています。
ロッパの感動ぶりが興味深い。林正之助氏の張り切る姿が鮮やかです。
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2016年1月5日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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