大風被害
昨日の強風で、ガレージと庭の境目の垣根が壊れてしまいました。
かなり重量のある垣根で、これまでの台風などでは、何ともなかったのですが、今回の春の強風は長時間にわたって吹きつけられたので、耐えられなかったと見えます。隙間から飼っている犬が逃げ出すといけないので、ホームセンターへ行きました。
ツイン21古書即売会の準備をしなければならないのに、思わぬ用事です。
そうそう、OBPツインタワー21古書即売会が4月7日(土)~14日(土)まで開催されます。
営業時間は午前11時~午後8時(最終日は午後6時まで)
近畿一円の27店が参加します。近くの大阪城公園は桜が満開と思われますので、本探求と同時に花見も楽しめます。
お誘い合わせのうえ、ご来場ください。お待ち申し上げます。
強風、桜が咲いてからでなくて良かったと思います。
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2012年4月4日 | コメント/トラックバック(0) |
ドストエフスキーは人たらし
ドストエフスキー全集新潮社版が入ってきましたので、書簡集を拾い読みしましたが、いやー、面白い!
この人、借金の申し込みをさせたらピカ一です。父、兄、弟、編集者、友人等々、手当たり次第という感じです。
父親は早くに農奴に殺されてしまったので、父親宛ての手紙は少ないのですが、残っている手紙ことごとくが借金(送金依頼)や、留年(陸軍工科学校)のいいわけです。それが滅茶苦茶うまい。出だしが「懐かしいお父さん」「お手紙待ち焦がれています」「神様がお守りくださいますように」等など。彼らにとっては常套文句なのでしょうが、私たちには気恥ずかしい限りです。ヨーロッパ人の手紙は大体がこんな風で、いつも驚きます。
無駄遣い故の借金では無いことを「神様が証人です」と大見得を切って誓います。実はドストエフスキーの悪癖、小さな博打はこの時分に始まっているのです。お金を送ってもらった礼状の後ろの方で、早くも次の借金を匂わせたりしていて、何か背筋が寒くなるような所があります。
兄と、出版や翻訳、小説売込みなどを画策するのですが、皮算用と言うか、大風呂敷と言うか、目論見では何千ルーブリも簡単に入ってくるような話をすぐに始めます。机上の計算は極めて綿密に見えますが、次の手紙ではその計画がたちまち頓挫しているのです。
一体に彼の手紙は、金額やら日付やら人名など極めて具体的です。それで意外と説得力があるのでしょう。そして一通づつがとても長いのが特徴です。兄のミハイル宛が特に長い。弟のアンドレイ宛ては実に短い。嫌いだったようです。
父親の遺産を巡る後見人とのやり取りも緩急自在、手練手管の手紙の応酬と言う感じで、そのエネルギーは凄いものです。
こんな中で、「貧しい人」が評価され始めて、世界の大作家が誕生してゆくわけです。人間学の極めて興味深い材料と言えるでしょう。
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2012年4月3日 | コメント/トラックバック(0) |
オペラのスコアは難しい
今日は豊書会の3000円市でした。
良質の音楽書が沢山出品されていましたが、残念ながら3口しか落札できませんでした。良い音楽書の人気は高いのです。
私が落とした口のひとつは、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」「インテルメッツオ」「影のない女」のフル・スコア(ブージー&フォークス版)や、フィルハーモニア版のマーラーの交響曲全9曲のミニチュア・スコア、ブルックナーの交響曲全9曲の音楽之友社版ミニチュア・スコアなどを含み、かなり充実していました。
中でもシュトラウスのオペラのスコアは嬉しかったです。「ナクソス島のアリアドネ」はウィーンの国立歌劇場が1980年に来日公演した時、フェスティバル・ホールで聴いた演目でしたので、懐かしく少し中をのぞいてみました。
シュトラウスのオペラ作品の中では、比較的に小編成のオケ・パートですがそれでも全奏時には22段を使っていますので、素人が見ても判る筈はありません。「影のない女」に到っては33段のスコアです。
これを暗いオーケストラ・ピットの中で舞台の進行や、オーケストラのバランスに注意しながら指揮する能力ってすごいですね。
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2012年4月2日 | コメント/トラックバック(0) |
万愚節
4月1日。新しい年度になりました。泉南地方はよいお天気です。
英文学者で随筆家の福原鱗太郎さんは、エイプリル・フールのことを「万愚節」と表現されていました。
福原さんが愛したイギリスの文人チャールズ・ラムが、ある年の4月に出た雑誌に、「All Fools Day」を書きました。この文章は後に「エリア随筆」と言う本に収録されましたが、その「All Fools Day」の章を、福原さんは「万愚節」と訳されて、その味わいを名著「チャールズ・ラム伝」で綴られています。
歴史上の色々の愚かしい人のエピソードを列記したあげく、「世の中は天才や英雄で作られているのでなく、無数の普通の愚かしくも愛らしい人間によって作られている。だからお互い愚かではあるけれども、にっこりしながら生きてゆこうよ。私は愚人が好きなのです」ラムは静かにそう語っていると福原さんは書かれています。
福原さんの「チャールズ・ラム伝」によると、ラムは1775年にロンドンで生まれ1834年に没。東インド会社(南海会社)に会計係として長く勤め、精神の不安定な姉の面倒を見ながら市井に生きた人です。ラムは生涯結婚せず(たった一度だけ、ある女優に手紙でプロポーズして手紙で断られました)、酒と煙草と友人とのささやかな交友を楽しみに、人間を愛して質素に暮らしました。最後は姉と同じように、少し精神状態が不安定になって死んだそうです。
姉弟合作の「シェイクスピア物語」が有名です。自身の作品は先に挙げた「エリア随筆」、「続エリア随筆」があり、イギリスの随筆文学の代名詞と言えるでしょう。
福原さんも「われ愚人を愛す」という書名のエッセイ集を出されています。
原作者と翻訳者の幸せな、世にも希なるマッチングと言えるでしょう。春の読書に強くお勧めします。うそではありません。
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2012年4月1日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:お勧め本


