不思議な話

河出書房新社がずっと出している文藝別冊河出ムックのシリーズの中の「梅棹忠夫」をパラパラしていて面白い記事を見つけました。「「人類の未来」の構想」という記事で、かつて河出書房が出していた「カラー版 世界の歴史」全25巻(当初予定)の出版裏話です。



梅棹忠夫も最終巻である第25巻「人類の未来」を執筆する事になっていました。歴史全集に未来の巻を予定するのも変な話ですが、これがウリだったとか。ところが梅棹さん、結局この巻は書けずに全24巻でシリーズは終了するのです。出版会社としては大失態ですね。梅棹さん自身が書いた内容目次の原稿が残っていて、このムックに載っています。この経緯も面白いのですが私がもっとびっくりしたのは、このシリーズが当初、昭和42年の7月に第1巻の発売を予定していながら、文藝春秋社が発売を1年遅らせてほしいと申し入れてきて、結局、昭和43年の3月に第1巻「人類の誕生」今西錦司著が出版されたと、当時の編集者が回想しているのです。



いわば競争相手の同業他社から言われて大人しく、当初の予定を変更するなどまことに不可解な話です。更に驚くべきことに、実は文藝春秋社も「大世界史」全26巻を企画していて昭和42年6月に第1巻「ここに歴史はじまる」三笠宮崇仁著を出したのです。ほとんど同時に同じような歴史全集がガチンコするのは良くない、と文藝春秋社の方から人を介して申し入れてきたとのこと。



面妖な話です。昔から出版社は臆面もなく似たような企画を同時にぶつけ合ってきています。昭和初期の全集合戦も、高度成長期の第二次全集合戦も消耗戦みたいな有様でした。それでもお互い売れていたものです。企画がぶつかって怯むようなヤワな神経は出版社は持ち合わせていないはずです。



今回だけ河出書房が後塵を拝する形をあえて取ったのはなぜか。間に入った人が大物だったのか。それとも三笠宮に畏れ多いと遠慮したのか。なににせよ不思議な事よと言わざるを得ません。



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