没後50年

1月12日はイギリスの探偵小説作家、アガサ・クリスティの命日です。1976年に亡くなりましたから今年でちょうど没後50年になります。



ミステリーの女王と言われ日本でも愛読者は無数でしょう。作品数も恐ろしく多いです。しかもその質が平均して高いことも驚異的です。「アクロイド殺人事件」「そして誰もいなくなった」「ナイル殺人事件」「オリエント急行の殺人」など有名なところは若い頃に読んだか、読んだ気になっていますが、今でも、彼女の未読作品を読みかけるとやはり引き込まれるのですね。



春にして君を離れ」という作品がハヤカワ文庫から出ています。これを推理小説というには無理があるかもです。殺人も暴力も警察も登場しません。恵まれた主婦(?)が一人の旅行の途中、過去の自分の人生、特に結婚以後を振り返りながら、あの時のあのことはどういう意味があったのか、あの人の言ったことの真意は?と、とめどなく思い出しては疑い始めてゆくというお話です。



まあ、サスペンス感は十分にあります。不思議なけだるい感覚が、熱にうなされている悪夢みたいで、私は最近読んで、やっぱりすごいストーリーテイラーだと、改めて感心しました。



没後50年という事は私が20歳あたりの時代まで元気に書き続けていたのだと思うと、すごいおばあさんやなと思います。



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たかが霧ですが

冬に多いですが、春や秋でも朝方に冷え込むと霧が立ち込めることがあります。交通に影響が出たりしますが、戦争時ではそれが大きな問題になります。



仲谷宇吉郎という、一昔前にはよく読まれた科学者がいました。彼が一般向けにやさしく書いた随筆などは教科書に載ったり入試問題に出たりしました。随筆家であり画家でもありますが、なにより雪の研究者として有名です。低温科学が専門ですから、戦時中は軍の依頼を受けて霧の研究もしていました。



その専門家の彼が、霧の研究ではイギリスがとても進んでいたと随筆に書いていました。そうです、ロンドンの霧はイギリスの代名詞ともなっています。第2次大戦中、ドイツ軍の重要地点を爆撃するため、作戦に従って爆撃機を離発着させないといけません。それを拒むのが名物の濃霧でした。



チャーチルが依頼して科学者たちがいろいろ考え、多くの実験した結果、滑走路を取り巻くように石油を噴霧できるパイプを設置して、その石油を燃やして空気を温めて霧を消すことに成功したそうです。結果は重大で、頻繁に出撃できることでドイツの降伏をかなり早めることができたという事です。



チャーチルが科学者やその実験を信頼したことが、そのような結果をもたらしたのです。規模的には大したことないかもしれませんが、科学によって一時的にせよ気候をコントロールしたわけです。冷静な科学的判断が彼の理性の根底にあったという事です。



この話は今、どこかの国の為政者に教訓として聞いてほしいような気がします。



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和英辞典は便利

昨日、辞典の話の中で学生時代、和英辞典はほとんど使わなかったと書きました。事実その通りなのですが、この和英辞典は実はとても便利な事典なんです。



これは日本語の言葉を日本語の50音順で引いてそれに該当する英語を調べるものですが、当然、漢字でも表現されていますから普通の国語辞典としても使えるわけです。英語のニュアンスの違いに応じるために、日本語としての言いかえもいろいろ載っていますから、類義語辞典にもなります。



そして本来の役目である英語の言葉や表現を学べますから英語の勉強に当然なります。下手な国語辞典よりも役に立ちます。一石二鳥も三鳥も美味しい使い方ですね。古本屋では安ければ2、300円くらいで手に入れることが可能ですから、1冊お備えください。



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2026年1月10日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:お勧め本 古書 大阪

遠藤さん

あるお客様から遠藤周作の「深い河」を読みたい、とお聞きして、「あると思います」と安請け合いをしました。結構売れた本で文庫本にもなっていますから在庫してるだろうと思ったのです。この正月、倉庫へ行って遠藤周作の文庫本を持ち出してきたのですが、お目当ての作品はありませんでした。



遠藤作品は各社の文庫本合わせて129冊にものぼりましたが、あると思った「深い河」が皮肉なことに見当たりません。がっくりするとともに、自分が遠藤の作品をこれだけ集めていたことにも愕然としました。実は彼の小説作品では完全に読んだと言えるのは「海と毒薬」だけだからです。それでもこんなに集まってしまったのはまあ彼が小説だけでなく、随筆なども多作したことが要因でしょう。



私は文庫本で作家の作品を集めるのが昔から好きで、星新一から始まって北杜夫、三島由紀夫、阿川弘之、筒井康隆、阿部公房、安岡章太郎、山本周五郎、吉村昭などは文庫本で手に入るのはすべて集めたと思います。感覚的には吉村昭が最も冊数が多いだろうと思っていましたが、遠藤周作がダントツであることが判明しました。



せっかく出してきましたので今年は少し腰を入れて読んでみようかなと思います。



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事件の真相

赤穂浪士の討ち入りの日です。ラジオからは三波春夫の歌う「俵星玄蕃」が流れてきたりしています。



野口武彦著「忠臣蔵」ちくま新書などを読むと、事実と文学や戯曲になった話とはかなり違う事が多いみたいです。特にその発端となった江戸城松の廊下の刃傷事件は、浅野内匠頭の錯乱が原因らしですね。歌舞伎などでは「鮒じや、鮒じゃ、鮒侍じゃ」などと吉良上野介が内匠頭に悪口雑言、内匠頭が耐えて耐えて耐えきれなくなって切り付けるのです。刃傷の原因は吉良の意地悪にあり、内匠頭はかわいそう、というのがお芝居の運びです。そんなことは事実ではないようです。



内匠頭は以前も朝廷の勅使を接待するご馳走役を経験していたので、この度も以前通りにやればいいだろうと思って進めていたところ、かなり年数が開いていたので、諸事、時代の変化がありそれでは通らない。そこを一国一城の主ですから無理やり通そうとして、儀式すべてを司る役目の吉良との確執が生まれたと考えられ、そのストレスから一時的な狂乱状態になったのだろうと思われるそうです。



一方的に被害者は吉良上野介というのが事実らしいです。でもこれではお芝居になりませんね。かわいそうなのは老人の吉良です。



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