九里丸、三亀松読みたいな。
「三亀松さのさ話」という本が入荷しました。大阪では有名な長谷川幸延さんの作品集です。
副題が「寄席交友録」でして、表題作以外に「桂春団治」「花月亭九里丸」「笑福亭松鶴」というギトギトの大阪の寄席話が入っています。
特に「花月亭九里丸」が良かったと思います。この人は戦前からの漫談家で、寄席関係の著作もニ、三あり懐かしい人です。その生涯の一端が描かれていますが、哀感もあり、笑いもありでお勧めです。
でも長谷川さんの本などは、現代では絶対に文庫化はされないでしょうね。次回少し内容をお知らせしましょう。
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2011年9月21日 | コメント/トラックバック(0) |
1919年9月19日は誰の誕生日?
今日9月19日、誰かの誕生日です。
覚えやすいでしょう。私は一発で覚えました。
1919年9月19日、1と9しか出てきません。
答えは、評論家の加藤周一さんの誕生日。マチネ・ポエティックの最後の生き残りだった人。
血液学で東京大学の医学博士号をとり、世界各地の大学で教鞭をとられました。英語ドイツ語フランス語が堪能。
福永武彦、中村真一郎の三人で三秀才と揶揄され、文壇の中では異端でした。
評論文も独特の明晰な文体が、時として、砂をかむような味気なさを感じさせるために、とても重要な考えを常に発信されていたのですが、一般的な人気に少し欠けたのではなかったか。
時期が来れば読み返される人だと思います。
加藤さんの本、買取いたします。
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2011年9月19日 | コメント/トラックバック(0) |
傲岸不遜なゴーガン
仕入れたゴーガンの画集の年譜を見ていて驚きました。
23歳になるまで、絵の記事が出てきません。全くの船乗りだったんですね。その年に株式仲買人になって、31歳でやめるまでにかなり儲けたらしい。
それから保険代理店に勤めたり、防水布の販売代理店をしたり、妻と別居して次男と住んでビラ貼りで糊口をしのいだり、ゴッホと2カ月間アルルで有名な同居生活をして、ゴッホが耳を切ったりと、めまぐるしい生き方。
結局、1903年、マルキーズ諸島の或る島で、憲兵に対する名誉棄損罪で係争中に55歳で亡くなっています。
何ともドラマチックですが、彼にしたら誠実な生き方だったに違いないでしょう。
古本屋さんも人生転変派が多いですが、それはまた別の機会に。
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2011年9月18日 | コメント/トラックバック(0) |
「建築書買取します」が化けると!
どれだけの方がご覧になっているかわかりません。うっかりしていると、とんでもない文章を書いたり、アップしそうになります。
「建築書買取します」を打とうとして「こん畜生買取します」になったり
「ご冥福、お祈りいたします」が「ご冥福、相乗りいたします」と化けたり。
こん畜生は要らないし、ご冥福も、もう少し待ってほしい。
でも、こんな何でもない間抜けた瞬間が、パソコン入力で凝った肩の力をゆるめてくれます。
これは打ち間違いでも何でもないのですが、私の作った語呂合わせ。
「郷土資料館で、今日どうしょうかしらん?」
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2011年9月16日 | コメント/トラックバック(0) |
「抜け毛」は買い取りにくい
落語を聞くのが好きです。特に桂米朝さんの落語を偏愛しています。
結局、語り口なのだと思います。米朝さんの場合は、それにテキストの精巧な再設計が加わって、なんともすっきりした面白い噺になるのでしょう。
それにしても落語には奇抜な、不可思議な言い回しが出てきます。「口入屋」には「着破った寝間着やら、抜け毛まですっくり売って七十五銭できましたよって、ちょっと内入れ」などと出てきます。「手近なこまごました物を処分してお金ができましたので、少しだけ借金返済」くらいの意味でしょうが、すごい表現ですね。「抜け毛」の強烈パンチ。
池崎書店も色々な本や、資料、古いポスター、古文書、訳のわからない紙物、なんやかやを買わせていただきますが、抜け毛は少し困ります。
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2011年9月15日 | コメント/トラックバック(0) |