月報ばなし

月報が好きです。月報と言っても、ある種の研究機関、業界団体などの組織が毎月出す、一種の報告書ではなく、昔の文学全集や個人全集が1冊ごとに挟み込んでいた別冊付録みたいな読物の事です。



大抵、文学全集だったらその巻に収録されている作家についての回想や簡単な作品論などが、8頁から16頁くらいにまとめられています。私が月報を好むのは、そんな薄っぺらい中に硬軟取り混ぜた短い読物が詰まっているさまが、松花堂弁当みたいに美味しそうに思えるからです。私は弁当大好きなんです。



本体に挟み込んでいるだけですから、いつの間にか抜け落ちる場合もあるでしょう。全集物などでは、これがそろっているかどうかで、古書価も少し変わります。



昔みたいに本を大切にする風潮があったころは、月報だけを自分で綴じたり、製本屋で本にしてもらったりすることもあったようです。出版社の方で全集完結後にその月報をサービス価格で製本する、なんてこともあったみたいです。



最近、文庫本の世界でこの月報が見直されているようで、昔の個人全集の月報などが文庫化されています。ついこの間、昭和20年代に出された中央公論社版の永井荷風全集の月報が文庫化されました。岩波版の荷風全集は入手がたやすいですが、中央公論社版はちょっとお目にかかれませんから、その月報はなおさら貴重で、文庫になったことを喜ぶ読書家も多いと思われます。



企画の勝利ですね。



古本 買取 泉佐野市

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