庄野さん

今日は児童文学者、小説家、教育者の庄野英二の亡くなった日で、ちょうど没後30年になります。兄弟に庄野潤三や庄野至がいます。三人とも気持ちの良い散文を書き、根強い人気が読書家の間で持たれています。特に庄野英二はあけっぴろげの人柄が文章に横溢して、読むと気持ちがすっとします。



彼の「にぎやかな家」という作品は自分の家を新築する話ですが、設計を画家の小出楢重の息子さんに頼み、少しへんてこな家になった経緯をユーモラスに描いています。台所の寸法が当初の設計図面よりかなり小さくなり、後で奥さんが苦労をするのです。頼んだ人も頼まれた人も大して気にしないでおおらかというのが救われます。それでもその小さな台所で大人数のお客様の料理をささっと作っていたというのですから、奥さんも大したものです。



串田孫一みたいな絵も描き、素朴で大変いい絵です。



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