カラスなぜ鳴くの
どうもカラスが増えているようです。
家の横の電柱の上で、毎朝鳴いています。いやでも目が覚めてしまう。
町内のゴミ捨て場は大体、カラス除けネットを常備していますが、かけ方がぞんざいだと隙間から難なく入って荒らしています。それで居付いてるのでしょう。
テレビでやっていましたが、カラスの知恵は恐るべきでした。
何しろクルミの殻を自動車の通る道に置いて割らせるのですから。それも偶然に割れるのではなく、タイヤの通るところを見極めてそこへ置き直したりしているのです。
その工夫、努力には感心します。さい銭箱から小銭を取り出して、それで小鳥の餌の自動販売機から餌を購入したという話もあるそうです。
ポオが「大鴉」という詩で半ば象徴的にうたっている気持も判ります。こちらは真夜中のカラスですね。
早朝から鳴くのは勘弁してほしい。
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2013年7月19日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:雑感
岩波の男気
昭和11年に岩波書店から出た「漱石全集」に、「季刊・小山書店だより」という小冊子が挟まっていました。
小山書店の近刊案内です。岩波が他店の宣伝物を配布しているのです。
面妖な事と思いましたが、その内容を読んで、疑問が解けました。
その小冊子に、御大の岩波茂雄が「大方の諸君子に御願ひする」という文を書いています。
それによると、小山書店を設立した小山久二郎は岩波書店の社員だったが、独立して小山書店を開業した。彼は尊敬に値する出版人で、独立してから出した本は全て立派である。これからも応援したいし、皆様の御力も貸してやって欲しい。
こういった趣旨の文章でした。
岩波書店のドル箱出版物の「漱石全集」を使った応援。
岩波茂雄の面目躍如という感じです。
小山書店がチャタレー裁判で有名になるのはもっと後の事です。
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2013年7月17日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:文学全集
白昼、外務省で…
昭和26年の「文藝春秋」を読んでいて、興味深い記事を見つけました。
ある海外駐在社員がアモイの路上で誰かに銃で狙撃され、腹部盲貫銃創を負ったのです。
幸い一命を取り留め、日本に帰国したのですが、賠償金交渉が進まない。
間に入った外務省もなかなか協力的な態度を取ってくれないで何年か経ちました。業を煮やした彼はある日、外務省の中で、省内の担当課長の腹部を狙ってピストルを発射しました。
大変な騒ぎです。こちらも腹部盲貫銃創です。意図的に同じ個所を狙ったとの事らしい。同じように命に別条はなく、撃たれた役人は後に満鉄理事として活躍されたそうです。
社員は自首し、裁判の結果、懲役5年が言い渡されました。
海外駐在社員は命を張って海外で仕事をしている、万一の事態が起これば、国がそれに対応できる体制を整えてくれる為の一石を投じる事が出来ればよい、こういう考えから事に及んだので、控訴しないで刑に服したとの事です。
大正年間の話です。
海外で事件に巻き込まれる邦人が、仕事中、観光中を問わず増えつつありますが、これはその早い例でしょう。そして、ドラマチックな形で本質的な問題を提起しているようです。
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2013年7月6日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:古書
心の籠った追悼市
或る古書店さんの追悼特別市が昨日ありました。
二つの市会の合同市であり、亡くなられた方の御人徳もあり、素晴らしい出品が大阪組合の会館1階から3階までを埋め尽くしました。運営された方々のご苦労も、大変だったと思います。
北海道から九州まで、大勢の業者さんが参集され、会場は大市にも負けない熱気があふれました。
プロレスラーの資料や、アイドル・コスチューム、ポスター等、いわゆる紙物、サブカル系が人気を呼んでいたようです。
当店も、クラシックのLP等を少し落札できました。ウェストミンスターの物が多く、室内楽、独奏曲が充実していたと思います。
乞う御期待。
振り市が殆んど見れなかったのが残念でした。
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2013年7月4日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:市会
丸山さん受難
十人寄れば気は十色、などと言うと落語の出だしのようですが、古本、古物を扱っていますと、前の持ち主の気性等の違いが本や品物にはっきり出ているのが判ります。
何の書き込みも無い綺麗な本があるかと思うと、毎頁に感想が書かれた本もあります。
線引きにしても、薄めの柔らかい黒鉛筆で一冊の本の中、何行かにだけスッと引かれているような上々吉(古本屋にとって)もあれば、マーカー、色鉛筆総動員で、波線を付けたり、四角で囲ったり、狼藉の限りという本もあります。
今までで最も怪訝に思った線引きは、最初の表題ページから、奥付まで、全ての行に線引きがありました。
これって意味ありませんね。頁数の数字にまで線が引かれていました。
この執念は凄いです。悪夢を見ているような気がしました。
ちなみに、丸山真男さんの本でした。
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2013年6月7日 | コメント/トラックバック(0) |