世界文学全集、読まないと損
昭和20年台後半~40年にかけて、日本では世界文学全集と銘打ったシリーズが、各社からたくさん出ていました。収録された作品の多くは、名作ですのでダブっています。でも、少しづつ違いもあり、それが出版社、編集者の個性の見せどころでもありました。
そこら辺を歴史的な流れと共に概観、解説したのが矢口進也さんの「世界文学全集」という本です。
よく調べられた本で、代表的な全集は、内容に立ち入って詳しく解説されています。
その本によりますと、巻数で戦後最大規模の世界文学全集は、講談社の世界文学全集「オプション103」の全103巻別巻1巻のようです。講談社は日本文学全集でも最大の巻数の、日本現代文学全集全108巻を出しています。端数の好きな出版社です。どちらも100巻を飛び出しているのが元気です。
世界文学全集のほうは順調には出ず、1974年の刊行開始から、本巻の最終巻「デカメロン他」が1989年に出て、別巻の「世界文学史」が4年後の1993年に出て、やっとこさ完結しました。19年がかりです。筑摩の世界文学大系に次ぐスローペース、筑摩は途中、経営の悪化などがありましたが、講談社は揺るぎない大出版会社なので、この刊行遅延は異常に見えます。この全集、私は好きです。
続きます。
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2011年11月22日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |