あってるような、あってないような
以前ご紹介した婦女界版「家庭百科大辞典」、時々拾い読みしては笑わせて貰ってます。
先日、何気なく「ピンチ・バッター」という妙な項目が眼にとまり、読んでみたところビックリしました。
「英語 野球用語、味方の危機の際に、補欠選手中から選んで打たせる打者をいふ。ピンチ・ヒッターと混同せぬやうに」
何かおかしい感じです。ピンチ・バッターという言い方からして面妖です。その次の項目に「ピンチ・ヒッター」があります。
「英語 野球用語、危機打者。味方の危機に際して、よく安打を飛ばす頼もしい打者のこと」と、現代からすれば少しズレたような説明をしています。
わざわざ「混同せぬように」と念を押しているところを見ると、この筆者の中では、二つの事柄は全く別物のようです。なるほど、字義通りに考えると、ピンチ・ヒッターとはピンチに打つ人なのですから、実績がすでにあるイメージです。少し前のイチローみたいな感じ?
ピンチ・バッターが実績を積んでレギュラー入りして、頼もしい打者になり、ピンチ・ヒッターとよばれるようになる。筆者の考え方はこのようです。
いろんな辞書を調べましたが、こんな解釈をしている辞書は他にはありません。同時代に出た平凡社の「大辞典」も、「ピンチ・ヒッター」しか立項しておらず、現代の一般的な「代打」の説明と同様でした。
この「家庭百科大辞典」のユニークさが又一つ、証明されたようで少し嬉しいです。
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2012年2月1日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |