お勧め映画「ピグマリオン」
先日、ミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」と原作を共にする、1938年制作の映画「ピグマリオン」を見ました。
原作者のバーナード・ショーが脚本を担当し、監督がヒギンズ教授役を演じたレスリー・ハワードとアンソニー・アスキス、音楽がフランスの作曲家オネゲル、編集をデヴィッド・リーンが担当という、なかなかの豪華スタッフです。
へプバーンがイライザを演じた「マイ・フェア・レディ」に比べれば、娯楽性に乏しいのは当然ですが、セリフ劇として見た場合、明らかにこちらの方が優れています。イライザ役のウェンディ・ヒラーが少し老けた感じですが、後半、完璧なレディとして舞踏会に登場する場面では、かえってそれが堂々とした辺りをはらう様な気品になって、立派でした。
ヒギンズ教授役は、「マイ・フェア・レディ」のレックス・ハリスンより、はるかに若く見えるハワードの方が、最後にイライザがヒギンズのもとに帰るエンディングが不自然になりません。
奇妙な発声矯正装置や録音機など、リアルで不気味でおかしいし、有名な「スペインの雨は、ほとんどが平原に降る」の場面も、歌になってなくとも、十分に面白い。ピカリング大佐は、クラーク・ゲーブルによく似た渋い俳優が演じていて、イライザに対する優しさが、「マイ・フェア・レディ」の時のハイド=ホワイトのあまりにお爺さん的なかわいがり方より、男を感じさせて味が深い。
一方「マイ・フェア・レディ」の優れた点は、アスコット競馬場の場面でしょう。へプバーンがすばらしい衣装で登場し、ティータイムで貴夫人や紳士方の前で「くたばる」とか「けつ」とかを連発するところは何と言っても最高です。この場面は「ピグマリオン」では、ヒギンズ教授の母の邸宅での茶会になっていますが、イライザのヒラーの演技が少し暗く、全体が地味であまり笑えなかったのが残念です。
それでも「ピグマリオン」は名作として、もっと見られるべき作品であることは保証します。
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2012年1月14日 | コメント/トラックバック(0) |
酒乱、ではなかった、波乱の幕開け
今日は、大阪古書会館の仕事始め、「豊書会」の市会でした。
同人の方々が、参加者の為の酒肴を用意されての、毎年恒例、華やかな幕開けとなりました。もちろん、車の運転をされる方は、一滴も飲む事はありませんよ。
置き入札も和やかに終わり、四海波静かに目出度くお開きになるかと思われましたが、最後の振り市で、多量の優品の出品に、全員興奮。迫力のあるお開きになりました。「よっしゃー!!」と大声をあげて落札品を抱え込むベテランの業者さんがいたり、別の市会の同人さんが荷出しを喜んで手伝ったり、賑やかな事この上もありませんでした。
この元気を業界全体で大切にして、不透明な世界情勢ですが、乗り切りたいものだと思いました。
今年は良い年でありますように。
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2012年1月9日 | コメント/トラックバック(0) |
七草粥、たべますか
今日は人日という日、とのことで七草粥を朝食に食するのが習わしとのことですが、我が家では一回も食べた事がありません。
習慣が無いのです。外でも食べた事がありませんので、レトルトになったのでも、一度くらいは食べてみようかとも思うのですが、実行しないのです。
中国料理を夜に食べる予定ですので、中華粥でもって代用しようと思います。
そろそろ、新年気分も抜けてきました。
明日、1月8日(日)から天神橋三丁目プチ古書即売会が始まります。天三おかげ館で11日(水)まで。
古本の初買いにお越しください。
今月は、たにまち月いち古書即売会、ツイン21古本フェアも開催されます。
詳しくは、また、このページでご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
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2012年1月7日 | コメント/トラックバック(0) |
カラヤン夫人の剣幕 part2
NHKが2度目のベルリン・フィル招聘をし、東京公演の後の全国公演に全日空のチャーター便を利用した時の事です。
仙台へのフライトで、カラヤン夫人が大の飛行機恐怖症で、長谷さんが隣に座って手を握り続けてあげたにもかかわらず「キャー、キャー、怖い!怖い!」の連続で辟易したとのこと。それはまだ良かったのですが、今度は仙台から名古屋へのフライトの時、カラヤン氏、やおら立ち上がって操縦室をノックして、操縦士とひそひそ話して中へ入ってしまうと、カラヤン夫人は長谷さんに「また、操縦をやらせろと言ってるのだわ。大変、ベルリン・フィルが全滅するわ。やめさせてください」とカンカン。
長谷さんが操縦室をのぞくと、カラヤン氏、レシーバーをかぶり、操縦桿を握って子供のように得意満面。機長は、「この人は飛行機に詳しい、大丈夫でしょう。」と取り合ってくれません。
ハイジャック多発以前(1966年)、チャーター便という条件を考えても、のどかというほかないでしょう。
小牧空港への降下が急だったのでカラヤン夫人、「主人が操縦しているわ!ああ、神様!」と恐慌状態。着陸まで悲鳴の上げ続け。カラヤン氏は最後まで操縦室から出てこなかったとのことです。
空港を出ると、カラヤン氏、待機していた三菱の軽飛行機に試乗する段取りを付けていて、長谷氏に「家内には絶対に言うな。所用で別行動といっておけ」とさっさと消えてしまう。夫人をホテルへ送って3時間ほどすると、カラヤン氏は「あれは良い飛行機だ。買いたい。女房には言ってないだろうね」と呑気な事を言いながらホテルへ着き、夫人の部屋をノックする。ドアがバン!と開くとともに、凄い形相の、しかも半裸のカラヤン夫人が猛烈にまくしたてながら、カラヤン氏に何かを投げつける。しかし外れて、横の長谷氏の顔に当った。何か、と長谷氏が拾い上げると、なんとブラジャー。
事情を聞けば、「カラヤン氏が軽飛行機試乗」の映像が夜の7時のテレビ・ニュースに流れたとのこと。それを見た夫人が怒髪天を突いたのです。悪事は露見するのです。
夫人の剣幕に、さすがのカラヤン氏もたじたじだったとのことです。
長谷氏、記念にそのブラジャーをもらえばよかったと書いておられます。
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2011年12月31日 | コメント/トラックバック(0) |
11月も即売会
今月も即売会があります。
11日(金)~17日(木)は弁天町オーク200で、参加数約30ヶ店で開催されます。
又、即売会ではないのですが、
12日(土)~13日(日)は千里中央せんちゅうパル北広場で「ラ ミュズィク マルシェ せんり2011」という音楽イベントが開催されます。
音楽関係中心のフリマで、生演奏も会期中、会場で演奏されるとのことです。関西古書研究会からシアルさん、松原書林さん、そして池崎書店が出店予定です。音楽にかなり特化した形での催しですが、皆様のお越しをお待ちしております。
この3店はもちろん、オークにも参加しますのでかなり忙しいことになりそうです。両方ともに力を注ぎたいと思います。
又、18日(金)~20日(日)はお馴染み、たにまち月いち古書即売会が大阪古書会館で開催されます。こちらのほうもよろしくお願いいたします。
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2011年11月2日 | コメント/トラックバック(0) |