寒いところで

ロシア文学を読んでいると、囚人がシベリアに送られる場面によく出くわします。彼らもしくは彼女らは徒刑囚と呼ばれたり流刑囚と呼ばれたりしています。私はどちらも似たようなもので、呼び方が違うだけだろうと思っていました。



ところがそうではなかったようです。徒刑囚というのは判決で刑期が決まった囚人で、刑期を勤め上げると流刑囚になるそうです。これはシベリアを開拓する義務を負いながら10年、もしくは短縮で6年、従事しないといけなかったとか。それが済むと流刑囚上がり農民としてほぼ一般人と変わらないことになったそうです。ただ、帰郷やサンクトペテルブルグとモスクワには居住できなかったということです。



かなり厳しいものがありますね。サハリン島は流刑囚の島で、チェーホフが医師として現地調査をして詳細なレポートを残しています。それが後日、囚人の待遇改善につながったことは、チェーホフ愛好者が多い日本で、もう少し知られても良いことだと思うのですが。



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