読み返しを求める

かれこれ10年ほどこのブログを続けています。しつこい性格だと自分でも思うことがあります。昔の人はもっとしつこい人が多く、作家の日記でも永井荷風や高見順の日記は非常に長期間、書き続けられたことで有名です。偶然にもこの二人は親戚でもありました。それ以上の長い日記を残したのは野上弥生子です。大正12年から昭和60年まで。全集の19冊を日記が占めています。「あの人は馬鹿だから」「あの奥様は慎みがない」とかみたいな遠慮のない人物評が満載ですから、そこはイニシャルに変えねば発表できない代物です。



まあ、この3人が長さでは別格でしょう。



そこに参入しそうなのが伊藤整です。この人の日記はかなり以前に、戦中の部分を「太平洋戦争日記」全3巻新潮社刊として出されていましたが、最近、戦後の期間を収録して「伊藤整日記」全8巻平凡社刊としてまとめられつつあります。伊藤整ブームが起こった1952年頃から没年の1969年にわたるもので楽しみなことです。ご遺族ご関係者もご健在ですので人物名などは差し障りがあると思いますから、野上さんと同様、完全な収録は難しいとは思いますが、戦後、常に文壇の中心に居た人ですので資料的にも貴重な事は言うまでもありません。



伊藤整はちょっと見には地味でおとなしい感じの人ですが、チャタレイ裁判で見せた粘り強さは本物でした。随筆や評論は目配りがよく効いてなかなかの卓見を示しています。カメラが趣味で「カメラと私」というエッセーで「カメラはもっと薄く、軽く、ポケットをふくらませずにおさまるようなものになるべきだと思う」と書いています。昨今のカメラの小型化やスマホのカメラ機能を予見しているようです。



予見といえば、「刑法に関係のあること」という随筆では、刑法改正に求めることとして、飲酒運転の厳罰化、歩行者を巻き込む事故の厳罰化、選挙違反の厳罰化、常習犯の厳罰化、などを挙げています。これらもごく最近の重大な事故、事件、世相を予測したかのようにピタリです。



昭和32年、昭和40年という、それぞれの文が書かれた時代を考え合わせると、この人はもう一度読み返されるべき人物だと思います。



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