今、トルストイ

トルストイって、読まれているのでしょうか。岩波文庫などは律儀に「戦争と平和」の新訳を出していますが、ブルースト程の現代性にはやや乏しいような気がします。古本を扱っていても、売れた記憶があまりありません。



私は彼の民話が好きで、「人間にどれほどの土地が必要か」などは何回となく読み返しています。すっとぼけていて、意地悪で、涙にあふれていて、苦くて、何層もの飴玉をなめているようです。やっぱり得難い書き手でした。



彼の河出書房版全集の別巻「研究篇」をパラパラしていたら、その「回想」のところに徳富蘇峰、徳富蘆花兄弟のトルストイ訪問記が仲良く並んでいました。蘆花がヤースナヤ・ポリャーナにトルストイを訪ねたことは知っていましたが、仲の悪かった兄の蘇峰も行っていたことは知りませんでした。



兄は1896年の9月26日早朝にトルストイの家に着き、その夜には辞去しています。かなり歓迎されたようです。トルストイ一家はほとんどの人が英語が話せたようで、トルストイも蘇峰と英語で議論したと書いています。人道と愛国心は両立するか否かで両者は譲らなかったようです。トルストイは両立しない、の立場です。この時トルストイは68歳。歩くのも早く馬にも乗り、スープを何皿のんだか蘇峰もわからないほど健啖だったとか。



その10年後に蘆花が訪問して4日ほど逗留しています。一緒に水浴びに行ったり散歩したり、かなり親しく交流しています。兄の漢文調と比べると、蘆花の文章は流石に自然描写にあふれて読みやすいです。思想的対立はあまりなかったみたいで、キリスト者として蘆花はひたすらトルストイに心服していたようです。ただ、トルストイの食欲はかなり衰えていたようです。ちなみにトルストイは菜食主義者です。



この4年後の1910年10月28日早朝に自殺的家出をして、アスターポヴォという駅の駅長宿舎で11月7日に亡くなります。



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